
ユニコーンツアー2014 イーガジャケジョロ
東京国際フォーラムホールA 2014年5月8日19:10-21:30
1F34列70番[ジャケ席]
3月に発売された「イーガジャケジョロ」をひっさげての全国ツアー。「とりあえず申し込んどくか」くらいの低〜いテンション。ライブ当日になっても、自分の中にそれほどの盛り上がりはなかった。ユニコーンというより奥田民生なんだよ自分は、という気分ではあったのだが、幕が開ければノリノリ気分全開だった。やっぱり、ユニコーンはいい!
「イーガジャケジョロ」に特に意味はないようだ。川西さんの造語によるタイトルナンバーがそのままアルバムタイトルになり、ツアータイトルにもなっている。そのゆるさがユニコーンらしい。今作は、電大(広島電機大学出身者のメンバーが2012年結成)の3人が大活躍であり。川西さん2曲、EBI2曲、テッシー1曲でメインボーカルをとっていて、リードボーカルの民生がメインで歌っているのは、14曲中半分のみ。
ユニコーンは、2009年に再結成してこれで3作目(通算12作目)。これがなかなかよい。まだこんな曲ができるんだ〜というような面白いものが少なくない。とりわけ出色なのが「トキメキーノ」。川西さんの作で、全員が川西さんの真似をして歌っているのがかなり可笑しい!同じく川西さんの「俺のタクシー」も歌詞が面白く、ライブでは小道具のタクシーを運転しながらの演奏だった。EBIの「夢を見た男」と「お前BABY」も今まで聞いたことないようなプレスリー風の歌唱。はじめはトゥーマッチな印象だったが、慣れてしまうと却ってクセになってしまう(笑)。出色といえば、テッシーの「それだけのこと」にも驚かされた。敢えて曲を覚え込まないうちに伴奏したという阿部さんのピアノだけのシンプルなバラード。昔からたま〜にもの凄い名曲を書いてきたテッシーが、またやってくれましたって感じ。ちょっと爆風スランプのようなテイストが心地よい。ライブではステージ中央でひとりきり、キーボードでの弾き語りだった。個人的に好きな歌はやっぱり民生の作ばかりである。「あなたが太陽」「早口カレー」「ユトリDEATH」「鳥の特急便」の4曲だが、とりわけ「鳥の特急便」はいい。世の中を鳥瞰しているかのような詞の世界は名曲「メリハリ鳥」の流れを汲んでいるように思える。今作で最も驚いたのは「ユトリDEATH」。タイトルにもあるようにデスメタル風に歌っているため、民生とは全くわからなかった(笑)。ある意味で民生はソロ活動の延長線にあり、むしろユニコーンらしい曲を書いているのは阿部さんのようでもある。アニメ版「宇宙兄弟」のテーマ曲にもなっている「Feel
so Moom」は阿部さん/曲、民生/詞だが、「ヒゲとボイン」のような宇宙的楽曲に仕上がっていている。このPVがユーチューブでも見られるが、かなり作り込んでいて、ちょっとした名作である。
2時間半近くのライブでは、新作「イーガジャケジョロ」全曲の他に、初期の作品も数多くやってくれた。その選曲は個人的にはベストではなかったが、「大迷惑」「ハヴァナイスデー」「スターな男」「WAO!」「オレンジジュース」など、本当に多彩でユニコーンの幅の広さを改めて思い知った。アンコールからは阿部さんの独壇場だった。なぜかおばあちゃんに扮し、ボイスチェンジャーを使って変な声で喋るもんだから、可笑しくてしょうがない。「イーガジャケジョロ」のセブン&アイ限定盤では「はいYES!」というボーナストラックがついているのだが、セブン&アイのCMでこの歌を流すべきか会場のみなさんに聞きますと阿部ばあちゃんが言うと、ステージ上のスクリーンに「はい」か「YES」の選択肢が表示され、会場は笑いの渦に包まれた。そんな最高潮の盛り上がりの中で「はいYES!」が演奏され、続く「すばらしい日々」がラストナンバーだった。この歌ができて、バンドは解散してしまったのだが、しかし、それから20年後、こうして50前後のメンバーが一緒に活動しているなんて、一体誰が予想しただろう。人生、何が起こるかわからない。一瞬先は闇かもしれないが、光だってあるだろう、という気分にさせてくれるユニコーンは、やはり最高のバンドであった。