two people,two scale
 
 
 
 
 1世紀最初の年、米大リーガーになったイチローが偉大な記録群を残した。
打率3割5分0厘(ア・リーグ新人記録)、年間安打242本(90年ぶり大リーグ新人記録、歴代9位)、首位打者・盗塁王同時獲得(52年ぶり6人目)など、挙げたらきりがないほど大記録を大量生産した。
1999年4月11日の西武戦で、西崎投手に二塁ゴロで打ち取られたとき、イチローは次のようなことを言っている。
「自分のイメージと現実の結果の違いがはっきりと見えた。もう、迷うことはない」。
マウンドから飛んでくるあらゆるボールを軽々と打ち返す姿は、方程式を解く数学者のように正確でズレがない。
 
 じ年、名古屋大教授の野依良治氏がノーベル化学賞を受けることになった。「触媒による不斉反応の研究」の業績が認められたもので、メントールの合成ほかさまざまな医薬品の製造に寄与する基礎研究である。昨年、白川英樹氏が化学賞を受けたのに継いで2年連続、日本人では10人目のノーベル受賞者となった。
野依氏の言葉。
「私は才能があるわけではない。だから、普通の人が80%ですむところを120%やらなければならない」。
「音楽でも美術でも、とにかく一流を知れ。一流が分かれば、物事の区別がつきやすい」。
 
 チローと野依氏。2人はたぶん特別な人間であって、2人が偉大だからといって、日本人がみな偉大になれるわけではないが、励みになるならした方がいいし、見習えるところは見習った方がいいに違いない。
偉大な2人に拍手を送ったら、その手に汗握る努力を次は自分ではじめるしかないに違いない。
といって、他人との競争に打ち勝つことが目的ではないに違いない。
2人だって、他人と競っていたのではないに違いない。
自分の中に「ものさし」をもち、いつも昨日の自分を超えようとしてきただけに違いない。
two people,two scale.
「確固たるイメージ」、「一流であること」。
 
 生は、自分らしい「ものさし」を見つける旅、そして、見つけてからの旅、また旅。
私の場合、それは「楽しさ」と「自由」。
この2つの「ものさし」がないと、何が当たり前なのか、わからなくなる。何を信じていいか迷ったとき、自分の「ものさし」で決断を下す。