生中継!奥田民生ひとり股旅スペシャル@厳島神社
20111022 TOHOシネマズ川崎

 広島県宮島(厳島)にある厳島神社。全国に約500社ある厳島神社の総本社であり、世界文化遺産である。これまでに民生の弾き語りライブ「ひとり股旅」は、武道館、広島市民球場と前例のない形で行われてきて、今回、ついに厳島神社の境内である!「企画もの」好きはユニコーン時代以来である。今回のライブは全国各地の映画館でも生中継されるということで、地元の映画館に出かけてみた。ちなみに、チケットは事前予約制だが、座席は当日の先着順だった。

 さておき、当日の天気は雨の予報。ステージも客席も屋根がなく、雨だと悲惨なことになったはずだが、なんとか開演前には上がって1曲目。「♪いつくしむのは」に始まる「HIROSHIMA」で幕を開けた。陽水さんとお互いの故郷を歌うというコラボで生まれた歌。陽水さんの歌詞に民生がメロディをつけた、しみじみといい歌。ちなみに民生が陽水さんの故郷、福岡を題材に作詞して陽水さんが曲を書いて歌ったのが「海の中道」である。続いて、広島を舞台にした映画「カスタムメイド10.30」のテーマ曲「トリッパー」。さらにファーストソロ・アルバムから「人間」。わりとレアな選曲である。「今、歌いたいなっていう歌を歌います」とMCが入って、続いて広島ゆかりの人のカバー。そして、「滅多にやらない。自分の作った歌の中では特に好きな歌」という「家に帰れば」と続いた。これが好きなんだ〜と少し意外ながら、妙に納得もした。

 それにしても、少々不思議な雰囲気である。映画館のシートはゆったり座れるし、大画面なのでどの席からでもステージの様子がよく見えてよかったが、果たして生中継を見ながら、観客はどんな反応になるんだろう?というのがちょっとした興味だった。蓋を開けてみれば、想像以上の静けさであった。曲が終わるとパラパラと拍手はあったものの、歓声などはなかった。劇場の中がすごい盛り上がりになるのかなという半ば期待もあったが、拍子抜けするほど淡々とした雰囲気の中で生中継ライブは進んだのだった。もちろん、現地は盛り上がっていたのだろう。ただ、民生もやや緊張ぎみであったようだし、選曲も渋め(個人的には大満足!)だったこともあって、現地の盛り上がりも尻上がり的だったようだ。それにしても、生と生中継がこんな具合に違うのかっていうのは、ちょっとした発見だった。そこに本人がいて、拍手や声がもしかしたら届くかもしれないという感覚が、思っていた以上に重要ということなのである。
 
 曲順はあまり覚えてないが、「愛のボート」「ひとりカンタビレのテーマ」「The STANDARD」「野ばら」があって、「メンバーには人気がないので、ユニコーンでもまずやらない」という「あやかりたい'65」がなかなかだった。そして、「CUSTOM」「すばらしい日々」、ラストが「さすらい」、アンコールが「イージュー☆ライダー」。他に吉田拓郎の「今日までそして明日から」など5曲のカバーを含む全18曲(たぶん)。今年はユニコーンもやりつつ「ひとり股旅」があって、いくつかのロックフェスも参加し終わると、すぐにバンドでのツアーが始まる。音楽が好きとはいえ、仕事としてやるのだから大変だろうと思う。本当によく「働く男」である。。