
♪奥田民生
~59-60 OKUDA TAMIO 30th Aniversary~
ライブビューイング・横浜ブルグ13(両国国技館)
2024年10月27日(日)18:00-19:30/1列8番
今でいう「推し活」、自分にとって初のミュージシャンが民生だった。今でも鮮明に覚えているのは、カーラジオから流れてきた「すばらしい日々」。印象的なイントロ、ありそうでない唯一無二のメロディライン、とらえどころのない独特の歌詞、そして一歩距離をとってる絶妙な距離感が心地よく染みるボーカルの声に心が鷲づかみにされた。「誰の何て曲なんだろう?」。DJの曲紹介を絶対に聞き漏らさないように聞き耳を立てていたら、このタイトル、そして意外にもユニコーンだった。ユニコーンは知っていた。きっと気に入るはずだと友人Gに勧められてベスト盤を買って何度か聴いていたのだ。そう、何度か聴いてピンとこなかったから、CDラックにしまい込んでいた。家に帰ってCDラックから発掘すると、「すばらしい日々」も収録されていた。聴いたことはあるのに、ノーマークだったのだ。なぜかあの日、カーラジオから流れてきた「すばらしい日々」が心に刺さり、民生が僕のフックに掛かったのだ。当時、ユニコーンは解散したか、しようとしていた頃だった。ファンになろうと思った矢先にバンドは消滅したのである。
翌年、ソロ活動に転じた民生のファースト・アルバム「29」が発表された。ユニコーンとは全然違う音楽性に驚いたが、さらに自分好みに近づいていた。イチオシは「息子」だ。これもロック?ガットギターだからフォーク?今でいうオルタナティブだろうか?よくわからないが、とにかく好きになった。アルバムはミリオンセラーを記録するほど売れ、音楽雑誌にも頻繁に取り上げられていたので、手当たり次第買って読んでいた。ネットが普及する前の時代だから、雑誌が重要な情報源だったのだ。それからパフィーをプロデュースし、井上陽水とのユニットがあり、そのうちユニコーンも再結成され今に至るまで、推し活が続いている。ふと気がつけば、30年である。
選曲もよかった。今回のバックバンドがソロデビューから10年間のメンバーだったせいか、全22曲のうち18曲がその時期のものだった。30周年記念ということを考えるとかなり偏った選曲ともいえるが、名曲揃いである。中でも「GOLDBLEND」から5曲というのが多い。どの曲も好きなのでどれが一番ということは決められないが、「The
Standard」、「メリハリ鳥」、「ワインのバカ」、「御免ライダー」、「CUSTOM」などは久しぶりに聴いて、感極まれりだった。当時の記憶が曲にすり込まれているようで、その曲を聴くとその頃の自分の感情が蘇ってくる。30年間、苦しみも歓びも過ぎてしまえば、愛おしい日々、すばらしい日々である。民生はやはり今でも憧れの人だ、そう再確認する幸せな夜だった。
民生をきっかけに興味をもったミュージシャンは少なくない。パフィーは基より、斉藤和義、矢野顕子、フジファブリックなど。中でも一番は陽水さんだ。どちらかという好みの音楽、声ではなかったが、民生がカバーした「最後のニュース」に感銘を受けた。陽水さんと交流があった筑紫哲也さんの依頼で作られたニュース番組「ニュース23」のエンディングテーマなのだが、その歌詞は1日の終わりと世界の終わりを暗示するようなもので、陽水さんの才能に惚れ惚れとしてしまい、以来、大ファンである。はじめのうちは民生のカバーの方が好みだと思っていたが、陽水さんの音楽をよく聴くようになってみると、やはり陽水さんが歌う「最後のニュース」の方が遙かにいいと思うようになった。歌は世につれ、世は歌につれというが、同じ歌であっても時代が変われば、或いは自分が歳をとればまた違って聞こえてくるのが不思議で面白いところである。国技館のチケットが取れずライブビューイングではあったが、十二分に楽しい時間だった。
♪メンバー
奥田民生(Vo/Gui)、根岸孝旨(Ba)、斉藤有太(Key)、長田進(Gui)、古田たかし(Dr)
♪セット・リスト
1 ルート2(「29」1995)
2 彼が泣く(「GOLDBLEND」2000)
3 ときめきファンタジーⅢ(「GOLDBLEND」2000)
4 夕陽ケ丘のサンセット(「BETTER SONGS OF THE YEARS」2008)
5 風は西から(「O.T. Come Home」2013)
6 メリハリ鳥(「月を超えろ」1999)
7 トリコになりました(「30」1995)
8 ワインのバカ(「月を超えろ」1999)
9 KING OF KIN(「GOLDBLEND」2000)
10 息子(「29」1995)
11 手紙(「股旅」1998)
12 無限の風(「Fantastic OT9」2008)
13 The STANDARD(「E」2002)
14 MANY(「記念ライダー2号」2007)
15 コーヒー(「30」1995)
16 恋のかけら(「股旅」1998)
17 MILLEN BOX(「FAIL BOX」1997)
18 御免ライダー(「E」2002)
19 トロフィー(「GOLDBLEND」2000)
20 CUSTOM(「E」2002)
♪アンコール
21 マシマロ(「GOLDBLEND」2000)
22 愛のために(「29」1995)