

民生もユニコーンも普段あまり聴かなくなって久しい。ずっと新譜は買っているけど、あまりピンとこなくなった。でも、昨年7月のSKYEライブのゲストで民生を聴いて、やっぱりいいなあと思ってもいた。そもそもユニコーンではなく、ソロでのツアーは久しぶりなのではないか…。ちなみにツアータイトルは、「ウサギ年だから」と言っていた(笑)。この日はライブのために年休を取っていたが、午前中に出張が入って品川まで来ていた。午後にフリーの時間ができたので、観る気はなかったが、たまたま上映時間がはまったので、話題のインド映画「RRR」を渋谷ホワイト・シネクイントで観た。インド映画は、「ムトゥ 踊るマハラジャ」(95)以降時々観ているので心の準備はできていたが、想像を遙かに上回る強烈な映画だった。S.S.ラージャマウリ監督の前々作「バーフバリ 伝説誕生」(15)も凄かったが、今作に比べたら足下にも及ばないだろう。とにかく見せ場が多く、伏線張りまくりの179分間、息つく間もない怒濤の展開で、半端ないカタルシスにただただ圧倒された。職場の若い職員に何となく勧めたらすっかり気に入ってくれて、すでに3回観たと言っていた。彼女にとって初めてのインド映画が「RRR」になったことが幸せなのかはわからない。ここまでの作品はなかなかないだろう。10年に1本の「思わず人に勧めたくなる作品」である。そんな映画を観た余韻冷めやらぬうちにライブ開演となった。「RRR」とは打って変わって、まったりもさもさした民生のライブである。いきなりテンションが下がった(笑)。いつの間にかC.C.レモンホールはLINE
CUBE SHIBUYAにリニューアルしていた。3階席なのでやや遠いが、それより困ったのは、前の席の人が始終前のめりで観ていたことだ。しかもカップルで前のめりだったので、角度の関係でステージと頭がかぶってしまい、頭と頭の間からステージを観る羽目になった。後ろの人のことまで気が回らないのだろう。歩きスマホの人を周囲がさり気なくよけてくれてるなんて考えない時代だからね…。
「月を超えろ」とか「カヌー」とか好きな曲を聴く度に徐々に民生ワールドに馴染んできた。「29」で民生がソロになってからずっと聴いてきた「憧れの人」は、常に世の中を騒がせてきたと僕は思っている。初めてプロデュースしたパフィーは国民的な人気を博したし、井上陽水とのコラボは、その後、レジェンドと若手ミュージシャンが一緒にやるムーブメントの礎になったようにも思える。武道館で弾き語りというスタイルも民生が初めてやったのではないだろうか。才能と親しみ易さと孤高の存在感が同居した唯一無二の人は、やはりカッコよかった!
選曲は、MTR&Yになって以降のものが多いようだ。欲をいえば、初期のもので聴きたい曲がたくさんあった。「息子」とか「The Standard」とか「イージュー★ライダー」とか「ワインのばか」とか…。コロナになって井上陽水さんがライブをやらなくなってしまった。できればもう一度、井上陽水奥田民生ユニットのライブへ行きたい。美味しいものは最後に食べるという人がいる。僕もわりとそれに近い。先に美味しいものを食べてしまって、残りは嫌いなものばかりというのも嫌だからなのだが、残しておいたものを食べきれる時間があるかどうか、そこが気になる年代になってきた。先日(令和5年3月28日)亡くなった坂本龍一さんも、癌になってからは残された時間を考えて、本当にやりたいことを吟味して生きるようになったと生前語っていたようだ。悔いが全くない人生なんてないとは思う。でも、そういう意気込みではいたい。それよりむしろ、やりたいという気持ちがなくならないようにしたいと思う。
set list
1. 太陽が見ている
2. 無限の風
3. 月を超えろ
4. ライオンはトラより美しい
5. カヌー
6. 音のない音
7. 愛のボート
8. マイカントリーロード
9. 白から黒
10. 明日はどうだ
11. KYAISUYOKUMASTER
12. トリッパー
13. まんをじして
14. イナビカリ
15. 最強のこれから
16. 御免ライダー
EN.
17. さすらい
18. 快楽ギター
♪奥田民生
~ラビットツアー MTR&Y~
LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
2023年2月15日(水)18:05-19:55/3階3列3番