スターダスト・レビュー25年に一度の
大感謝祭
2007.5.19/さいたまスーパーアリーナ
スターダスト・レビュー(スタ・レビ)がデビューして25年。大感謝祭と銘打って、なんと6時間ライブが開催された。途中で飽きちゃう人もいるだろうということで、「おやつ付き」というおかしな(お菓子な?)はからいも!いろんなライブに行ったけど、おやつ付きの6時間ライブなんて初体験である。昼の1時過ぎに開演。前半が2時間半、休憩30分の後半3時間半ということで、本当に休憩を含まず6時間のライブだった。正直なところ、行く前は大きな期待もなく、途中で多少は飽きてしまう気もしてたが、全くの杞憂だった。おそらくは想像以上の涙ぐましい準備をしてこの大イベントが開催されたのだろう。随所に面白い企画があって、片時も飽きさせず、そして不思議と疲れさせず、たっぷりたっぷり楽しめたのだった。スタ・レビのメンバーや主催者の方々の努力はいかにと思うと、感謝の気持ちでいっぱいになった。
今回のライブでは、カメラ撮影やレコーダーでの録音ができるということも前代未聞だった。ゲストはダメなのだが、それ以外はすべて写真撮影、録音、録画が自由なのである。1万5千人の観客が一斉に手を挙げたり、踊ったりしている様はそれなりにすごい迫力があって、ある種の美しさがあったし、数百数千もの液晶画面が同じ色で光っている光景自体もなかなかのもので、まるで満天の星のようでもあった。スタレビというと文字どおり「星」のイメージだが、まさに真っ暗な世界に星屑が散らばっているような美しい光景だった。
僕は特別スタ・レビファンというわけではなかったが、だいたいの曲は知っていた。スタ・レビはメロディがキレイなので、いつもはBGMでさらっと聴いてるだけだが、今回ライブで聴いてみると、意外にも詞がよくて、思わずほろりとさせられたり、勇気をもらえたり、胸を打つ歌がたくさんあって、個人的には新たな発見だった。
ボーカルの根本要さんが今回のライブにかける意気込みは、並々ならぬものがあったのだろうと思う。MCはいつもどおりのマシンガントークで楽しかったが、緊張のあまり歌詞が出てこなかったり、2番を先に歌ったりして演奏が中断されるということが2、3度あった。それはそれで笑いをとっているところが可笑しかったが、6時間で約50曲の歌を歌い続けることがいかに大変なことであるか、考えてみれば本当にすごいことだと思う。今回は、歌中心でやるということで、MCはいつものライブに比べて短いめだったが(長く話してるとステージ上のサイレンが鳴る仕掛けも笑えた!)、「それがいけないんじゃないか」という根本さんのコメントも可笑しかった。本当にそうかもしれない。きっと話でリズムをとってるんだろう…。

企画は盛りだくさんで、1つは長年おつき合いのある芸能人からのビデオ・コメントだった。関根勤と小堺一機、松たか子、笑福亭笑瓶はビデオと思わせておいて突然本人が登場したり、かなりたくさんの人が登場して面白かった。そして、特別ゲストということで、小田和正がステージ上に登場したときの盛り上がりはすごかった!
「俺たちが出てきたときより拍手が大きいじゃん!」と根本さんが観客に突っ込みをいれてて笑えたが、やっぱり人気あるんだなとビックリだった。僕はほとんど小田さんを聴かないし知らなかったが、とぼけた風な独特の雰囲気があって根本さんとのトークが面白くて、何度も腹抱えて笑うほどだった。意外だったが、話をするときの小田さんの声はものすごいガラガラ声だった。「いつまで歌えるのかわからないよ」と言いながら、スタ・レビの「木蘭の涙」を歌った。澄んだ歌声は、静まりかえったホール全体の色を変えてしまうようなすごいエネルギーだった。オフコース時代の「Yes-No」や大ヒット曲「ラブストーリーは突然に!」もとても感動的だった。そして、小田さん
からスタ・レビへのプレゼント。25周年ライブのリハ中に小田さんが来て、「詞、書いたから。ちょっと要くん2時間くらい借りるよ」って言って、二人で曲をつけてできた歌だそうだ。ライブバンドとしてやってきたスタ・レビにぴったりの詞で、とてもいい歌だった。歌ったあとで要さんが泣いていた。確かに感動するよな〜と思って、じ〜んとするシーンだった。小田さんはちょっとゲストという以上にサービスたっぷりに歌って話をしてすごく盛りあげて、大きな余韻を残してステージを後にした。
新曲の発表もあった。スタジオ録音はこれからで、そこに会場の声を入れたいという。歌詞を映し出し(下写真)、歌の練習をして、2回ずつ録音をした。うまく録れたようだ。さらにジャケットにも観客を入れたいというので、1万5千人で写真を撮ったりもした(上写真)。その一体感が大感謝祭を絶頂に高めていった。
祭りも終わりのときが近づいていた。意外にも、「もう6時間?」という気分だった。すごく楽しかった。そして、ステージ上の要さんは、ずっと泣いたり笑ったりしながら話している。もう声はかすれて痛々しいくらいで、何度もくどいほどに感謝の言葉を繰り返していた。一緒に泣いているお客さんも多かった。名残惜しさでいっぱいだったが、とてもいい時間が流れていた。そして、「ありがとう」の言葉で、この25年に一度の大感謝祭は幕を閉じた。
音楽に色があったり、季節があったりするのと同じように、スタ・レビを聴いていると、ふと夜を感じる。美しい星空はとてもキレイだけど、でも、見上げていなければ涙がこぼれ落ちそうなほど切ない気持ちにさせることもある。たくさんの星はにぎやかそうだけど、一つ一つの星はとても小さくて、弱い光しかもっていない。スタ・レビの歌には、そんな星のように美しくも儚い人の気持ちがたくさん出てくる。「遠い昔のことさ 夢で見たんだ」と「夢伝説」の詞にあるけれど、星の光もずっとずっと昔の光で、それを今見ているだけなのだ。見ても見なくても今は変わらないのだけど、夢は見ないと始まらないような気もする。スタ・レビの次の大感謝祭、きっと行こう!
2007年6月3日
祭りのあとの静かな部屋でスタ・レビを聴きながら