ライブハウスではないパフィーは初めて。正直、スタンディングも疲れるからゆっくり座れるのもいいなと思っていたら、幕開けとともにオール・スタンディング…。パフィーなんだから、当然か!
 18時15分〜20時15分。休憩なし、充実のノンストップ2時間。メンバーはツイン・ギターにキーボード、ベース、そしてドラムは元ユニコーンの川西さんだった。相変わらず力強いドラムである。身体にズシズシと音が当たってくる感じが心地よい。それにしても、パフィーはすごいな〜と思う。「アジアの純真」で世に出たパフィーは奥田民生の遊び心満載のいわばユニコーンのアイドル版のようなユニットだった。アイドルでありつつ、音楽的にもハイレベルなのが強み。はじめは1曲だけの予定の「アジアの純真」がミリオンセラーになってしまい、油の乗りきった絶頂期の民生がこれでもか!という感じで名曲を量産し、あっという間に不動の地位を築いてしまった。5年くらいで飽きられ、10年もすると歴史の中の懐メロになってしまうというのが多くのアイドルがたどる道だが、パフィーは違った。ユニコーンが7年で解散(16年後にまさかの再結成があったが…)したことで伝説的バンドになったのに対して、パフィーは生きたまま伝説になろうかというユニークなポジションを維持している。以前にも書いたが、民生プロデュースでなくなったのちもあくまでパフィー的な楽曲が各方面から集まり、パフィーでありつつ、さらにパフィーの音楽世界を拡大しているのがすごいと思う。どうしてそういう芸当ができたのか不思議だが、民生の意向も強かったようだ。数年で飽きられてしまわないように、プロデューサーを固定せず、いろいろな楽曲に挑戦している。期待に応えた亜美、由美もすごいし、運もよかったのかもしれないが、スタッフの努力も相当なものだろう。その一面を今日のステージで垣間見ることができた。そう、劇団アセスの旗揚げ!カニと共に去りぬ。「なんなの、これ?」という感じだが、ライブ中盤に南流石さんという人が登場。実はデビュー以来パフィーの振付を担当してきた人だそうで、その道では超有名らしい。最近では「おしりかじり虫」がヒットしたが、サザンオールスターズやSMAPなど大物スターの振付を担当してきた人。パフィーのあの独特の踊りは、間違いなくパフィーの脱力系アイコンに貢献しているだろう。世の中の音楽シーンが激しいダンスを伴う歌って踊れるミュージシャンへと流れていく中で、非常にユニークなアプローチだったといえる。それを14年間、振付の面から支えてきたのが南さんだったのである。劇団アセス旗揚げ公演ということでカメラも入っていたが、30〜40人ほどのダンサーがステージを踊りまくり、そして「妖怪PUFFY」の振付を会場を巻き込んでみんなで踊るという楽しいイベントだった。特に劇をするわけではなかったが…。
 新曲が3曲あった他はお馴染みの楽曲ばかり。どの曲も完成度が高く、演奏レベルも高く、とても気持ちよかった。王道ではなく、マニアックでもなく、その間の中途半端な中道を抜けつつしっかりと地盤固めしているパフィー。民生がそうであるように、パフィーの音楽にはいつも甘酸っぱさが感じられる。いくら歳を重ねても、どこかに初々しさが残り、ホロリと青春を感じたりする。来年はデビュー15周年、また会いに行きたい。
PUFFY TOUR 2010
劇団アセス旗揚げ公演
「カニと共に去りぬ」
昭和女子大学人見記念講堂
2010.7.11