
「妖怪パフィー」の歌詞にあるように、上手が亜美、下手が由実と立ち位置は決まっている。ちなみに演劇用語では、舞台に向かって右側が上手、左側が下手ということになっているようだが、「なぜ、右側が上手なんだ?」という疑問がたちまち湧く。利き手(右手)から役者が登場した方が安心感があるとか何とか、諸説あるらしい。今回は、珍しくかなり前の席が取れた。下手の端だったので、由美側である。まじかに見ると、ピカピカ眩かった!
やたらと長いタイトルに開館24周年記念とあり、「毎年記念コンサートをやっているのか?」と不思議に思っていたら、パフィーが勝手につけただけだと言っていた(笑)。葛飾というと「フーテンの寅さん」。ということで、パフィーは腹巻衣装で登場し、曲名は演目めくりを黒子が1曲ごとにめくっていくというサービスぶりだった。曲名が思い出せないときに便利だなと思って見ていたら、最初の5曲くらいまでで終わってしまった。で、もう1ヶ月以上も前のことで、セットリストも入手できなかったので、何があったかなかなか思い出せない…。
とりあえず今年は、パフィー20周年、ということである。デビューから続けてヒット曲に恵まれ、その後やや下火になってきた頃に「カートゥーン・ネットワーク」のアニメ番組「ハイ!ハイ!パフィー・アミユミ」が世界中で放送されて人気が再燃し、それらがやや沈静化したところの20周年で再スタートという感じである。運も実力のうちというが、各方面から提供される楽曲のクオリティがすこぶる高く、ボーカリストとしての力量は奥田民生仕込み、というのは、単に運がよかったでは済まされないだろう(笑)。
この日は、珍しく亜美が多弁だった。バンドメンバー全員への「今年の抱負」質問コーナーもツッコミ満載で可笑しかった。一番印象に残っているのは、バンマスでもある鬼軍曹こと木下裕晴さん。「いまだパフィーの二人から自分のベース演奏を褒めてもらったことがない。まだまだ力不足ということかもしれませんが、今年はぜひ褒められたい!」と語っていた。二人の抱負は、「今年も健康で、無事に過ごせれば…」というようなものであった。20周年を迎えたことについては、二人ともこれほど長く続くとは思ってなかったと語り、気持ち悪いくらい仲良しだと言って笑いを誘った(笑)。
約2時間のライブは、ベストヒット的な選曲だった。前半のピークは「渚にまつわるエトセトラ」だった。「♪カニ食べ行こう」は、今聴いてもやはり斬新である!個人的には、後半の「赤いブランコ」「オリエンタル・ダイアモンド」「欲望」辺りが好きな歌である。とりわけ「欲望」はいい!サポート・ギタリストでもあるフジタユウスケ作曲、大貫亜美作詞で、曲と詞のマッチングが素晴らしい。後半にかけて聴くうちに、いつも感極まってしまう。「自由」と「欲望」というのがキーなのだろう。人間ドラマの多くはココにあると思うし、自分の葛藤や興味もココにあると思うから、かな。
パフィーは、奥田民生がプロデュースするということがあったので、メジャー・デビュー時から聴いている。ファン・クラブには入ってないがアルバムはすべて持っている、というくらいのファンである。彼女らの芸能生活20年間の大部分は、自分の職歴にも重なる。そこに浮き沈みがあるように、自分の仕事にも凸凹があり、辛いことばかりではないが、順風満帆ということもなかった。「いつまで頑張ればいいんだろう」という肩の荷の重しと、「現役でやれるうちが華だな」というありがたみのような感覚が混じり合っている。文頭に上と下、右と左の話があったが、物事は近づてみたり離れてみたり、集中したり弛緩したり、掘り下げたり広げたり、というバランスが大事だと思う。そのための息抜きや発想の転換にパフィーを聴いてきた20年間だったのかもしれない。振り返れば色々と考察もできるが、実のところは、そのとき、そのとき、である。
♪PUFFY かつしかシンフォニーヒルズ開館24周年記念
パフィー新春歌謡ショー 女もつらいよ ~フーテンのパフィーさん~
かつしかシンフォニーヒルズ
2016年1月15日(金)19:00-21:00 / 1階5列1番