


有楽町・数寄屋橋のHMVで偶然ジャケットを見かけたのがはじまりだった、と記憶している。パリスマッチ(pm)の8thアルバム「passion8」とミズノマリの初ソロアルバム「mariage」が並んでいた。ふらふらとジャケット(特に後者)に引き寄せられて試聴してみた。どうにも声が甘ったるすぎて買わずに帰ってしまったのだが、心の隅っこにpm音楽のカケラが残ってしまったのだろう。2010年の年明け早々、Amazonで「BEST
OF PARIS MATCH」を買うことにした。衝動が即、売買に直結してしまうのがネット社会の便利かつ怖いところだが、数日後には、pm音楽のシャワーを浴びていた。美しいメロディライン、ラテン系のノリのよさ、都会的なセンス、詩的な言葉選び、そして何とも形容しがたい柔らかなヴェルベット・ヴォイスは唯一無二の調べとなって響いてきた。「これは好きだわ!」スピーカーに耳をそばだて、ひとり興奮した。その年、pmはちょうど10周年を迎えていた。もっと早く知りたかった…。でも、うれしい出会いだった。
今回が3度目のライブ。別途購入のワンドリンクがホール内で飲めないというシステムに疑念を抱きつつ、美しく落ちついた雰囲気の三井ホールに足を踏み入れた。しばらくすると、場内アナウンスが流れた。「間もなく開演となります。客席の反応にとってもナーバスな二人なので、大きな拍手でお迎え下さい」みたいなことを言ってる。本人たちなのだ(笑)。「今日は、何曜日?」というアナウンスに続いて、「saturday」から始まった。「私の好きな土曜日」の歌。確かに土曜日っていい。翌日もまた休めるというゆとりとその先にはまた行くところ(仕事、学校)があるという安心感もある。そういえば最近、月曜はじまりのカレンダーがあって、時々曜日を見間違えてしまうから、正直使いにくい。旧約聖書では、神様が月曜〜土曜日で世界を創り、7日目を休息日としたから月曜スタートが本来という話もあるが、1週間という単位ができたとされる紀元前3世紀まで遡ると土曜日スタートだったという説もあるらしい。何にしても始まりと終わりがあって、その終わりは始まりでもあったりとややこしい話ではある。余談はさておき、今回のツアーメンバーも豪華で、pmの2人を含めて総勢10名の編成。洗練された演奏が相変わらず心地よかった。
pmの歌の大半は、杉山洋介が曲、古澤大が詞である。古澤は結成時からのメンバーだが、今は作詞だけの参加になっている模様。その詞の世界が、なかなかよい。とはいえ、さらっとしたヴォーカルのせいか、聞き流してしまうことも実は多い。というファンは自分ばかりじゃないらしく、今回、ライブの中で詞を味わうコーナーがあった。「FM」と「暗礁」。歌詞を映写したのが凸凹のカーテンだったので、端に近かった自席からはあまりよく読めなかったが、確かに歌詞も味わうべきものがあるのだ。個人的には「C'EST
LA VIE」という歌の詞がまるで沢田としきの短編小説のようで好きだが、今回のライブではやらなかった。MCはほとんどマリさんがやっていて、杉山氏はやはり寡黙だった。本当は酒飲んで朝までしゃべりまくるような人らしく、ブログは結構楽しい。先の震災にも触れ、復興を願って歌われた「ETERNITY」にしんみりとした。すべてが一瞬で消えてしまうと永遠なんてことはないって思い知るけど、だからこそゼロから始める意味を思い直せるのかもしれない。
最後に「私たちからのクリスマス・プレゼント」と歌われた「SILENT NIGHT」もよかった。少し残念だったのは、客席の反応だろうか。終盤になって、「そろそろお尻も痛くなってきた頃ですね!」とマリさんに促されても立ち上がる人はなく、終演までお行儀よく座っての鑑賞だった。最後くらいパーと盛り上がってもいいのにと思うのだが、そういう客層なのだろうか。マリさんのブログにセットリストが掲載されていたので、以下、引用する。
1. Saturday
2. coffee machine
3. VOICE
4.
ツキノシズク
5.FM
6.暗礁
7.TIME SHADE
8. AFTER SIX PM
9. DESERT
MOON
10. SONG FO YOU〜DEEP INSIDE
11. ETERNITY
12. Strawberry
Waltz
13. THE TIME AFTER SUNRISE
14. FREE
15. アルメリアホテル
16.
虹のパズル
ec
1. 太陽の接吻
2. soft parade on sunset
3. SILENT NIGHT