恒例となった日本橋三井ホールでのクリスマス・ライブ。3日前にTHE BOOMのファイナル・コンサートへ行ったばかりで、まだ「解散」の余韻を引きずっていていたが、ライブが始まってしまえば、たちまちパリスマッチの音楽世界に浸ることができた。パリスマッチの2人とバンドメンバー8名からなる豪華ステージは、この年末ライブならではである。杉山洋介のオシャレな曲とミズノマリさんの艶やかな声、バンドメンバーの演奏が心地よい。「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」と岡本太郎は挑発的に発言したが、美しいものに惹かれるのは自然の摂理のようなものだ。何が本当の芸術なのかよくわからないが、2014年を締めくくるライブに大満足だった、と今、思い出しながら書いている。実はもう2月も半ばである。なかなか書く時間がとれず、ずいぶん月日が経ってしまった。その間、いろいろなことがあった。とりわけ過激派組織IS(イスラム国)による日本人殺害が最大の事件だろう。安倍首相がエジプトで行ったテロ対策の演説に反応し、日本の中東支援と同額の2億ドルを身柄引き渡しの交換条件とした。その後、要求は変わり、ヨルダンにいる死刑囚との交換ということになったが、結果は最悪のものとなってしまった。「イスラム国の正体」という本を読むと、この問題がいかに根深いものか痛感する。イスラム教自体が過激なのではない。武装闘争を正当化するタイミーヤ理論というのが中世の時代に生まれ、さらに戦後になって、エジプトの思想家サイイド・クトゥブによって現代に確立され、「過激ジハード主義」の理論的根拠になっているという。「権力の源は神であり、人民に由来するものではない」と民主的な西欧の思想を批判している例をみても、宗教観・思想の相違は容易に分かち合えるものではなさそうである。誰もが平和を欲している。自らの平和を脅かすものがいるから戦っている、ということなのだろう。
話をパリスマッチに戻そう。この日のライブで幾つかニュースがあった。1つは、新作に取りかかっているという嬉しい話である。2015年中には発売したいけど、「洋介君が曲を書かないと作れない」とさり気なくマリさんがプレッシャーをかけていた(笑)。それと、珍しくオリジナル商品(エコバッグ)を作ったとのことで、僕もサイン入りを購入して愛用している。最後はニュースというより、ライブでの出来事である。例年のことだけど、パリスマッチのライブでは観客が立たないという変なジンクスがあって、いつも不思議に思っていたのだが、今回初めて「全員立ってください」とミズノマリさんから強い要望があった。普通だったら自然にそういう雰囲気になるのだが、今までどう促されてもそうならなかったので、ついに直接お願いするという形になったのだが、さすがにそう言われればみんな立ちあがった。「Sandstorm」からだったか忘れてしまったが、観客の熱気にギアが入ったのがわかった。それに反応して演奏も熱くなる!ライブとは、不思議とそういうものなのだ。そのあとはアンコールまでスタンディングのままで、例年にないもり盛り上がりをみせて幕を閉じた。パリスマッチの作戦勝ちである。2015年は彼らのデビュー15周年になる。新作の発表とライブ、楽しみに待っていよう。
【セットリスト】
THE TIME AFTER SUNRISE
FREE
TOPAZ AND DIAMOND
Song for you
MUSIC
ANGEL
Metro
Driving home for Christmas
東京ベイ
冬空カプチーノ・キッド
恋の兆し
Into the beautiful flame
All I need
Rockstar
Sandstorm
ヨコハマ・シティ
虹のパズル
Silent night
Saturday
太陽の接吻
(ミズノマリさんのブログより)

♪paris match winter special X'mas concert 2014
日本橋三井ホール
2014年12月20日(土)18:00-20:00 / H列20番

