
| birdが出産してから首都圏では復帰後初となるライブが逗子海岸の音霊<otodama>で行われた。birdのライブに行くのは、1年ぶり!初めて行ったのは、たまたま応募したチケットが当たった去年の3月、渋谷AXでのライブだった。以来、すっかりbirdファン。 音霊<otodama >は浜辺にある真っ黒い小さな小屋だった。夏季限定のライブハウスで、収容人数は100〜150名くらいだろうか。ボクの整理券は13番で、なんと入場は2番目だった。中にトイレがなかったので、手にハンコを押してもらうと、もう一度外に出てトイレに行った。小屋に入ると奥のコーナーに小さなステージがあって、その前だけテーブルとイスが並び、その後ろがスタンディングになっていた。ドラムがなかった。アコースティックなんだなって思いながらボクは、ステージの少し左手に席をとった。birdが歌うであろう場所から5mと離れていない。地面が砂地でふわふわしていた。当然ながらクーラーなんてなかったので、もわ〜と蒸し風呂のようだった。1ドリンクチケットと交換したハイネケンが渇いたノドにスーっと入っていった。たちまち身体が熱くなってきた。残業続きで疲れていた身体は、すぐに眠く、だるくなってきた。開演までは小一時間ある。しばらく波の音を聞きながら、まどろんだ。「童神」のシングルCDに収録されている宮古島ライブを思い出していた。音楽の間に波の音が聞こえる、その間奏のときに、birdが「いいね!」って言っていた。とてもゆったりとした時の流れを感じる音、今日も、そんなライブになるのだろうか。 少し酔いが醒めてきた。18時ちょうどに、birdが現れた。うわ〜すぐ目の前だ!黄色と黄緑のワンピースが照明に映えて眩しかった。演奏はギターだけ。田中義人(ヨッチャン)は、たぶん、いつも一緒にやっているギタリストだった。 1曲目「BEAT」から、伸びやかな声に思わず鳥肌が立つ!なんでだろう、じわ〜と涙がにじんできた。すごく美しい歌 声だった。ギターの音が心の琴線を爪弾くように鳴っていた。2曲目は、「鳥」の名前で沖縄限定発売となったシングル「first breath」だった。はじめて母になるbirdの気持ちが詞に込められていて、とても柔らかい感じのやさしい歌だった。ステージから見えるという逗子の海に夕陽が沈んできたというので、3曲目は順番を入れ替えて「夕暮れの少年」になった。大好きな歌。目を閉じて、心の中をすっぽりと開けるようにして歌を聴いていた。懐かしさが込み上げてきた。次いで古謝美佐子さんのカバー曲「童神」を熱唱。子守歌のように、やさしい歌声が会場を包み込んだ。5曲目の「リズム」は、息のあったギターと歌の競演。この辺から曲目をよく覚えてないが、次が「空の瞳」だったかな。これまで比較的クールに弾いていたヨッチャンがステージ前に出てきて、熱〜いギターソロを披露した。birdは立ち上がり、イスに足をかけて弾ける!ギターと歌だけとはとても思えないほど盛り上がった!小屋の中がさらに暑くなってきた。なんだか、サウナのようですがというMC。次は、来月9月6日に発売されるシングル「SPARKLES」。曲も詞もとてもよかった。今年の夏は短くて、もうすぐ終わってしまうからというMCに続いて「9月の想い」。今までなんとなく聞いていたけど、今日は歌が全面にあってとても強く詞が伝わってきた。切ない片想いの歌にすごく感動。それからデビュー曲「SOUL」が最後の曲ですってことで、19時で終わった。「え〜、短くない?」当然、アンコール!なんと、終演の5分前に入場したグループがいたとかで、急遽、第1部でやった曲をもう一度やることになった。「リクエストはありますか?」というので、ボクは「夕暮れの少年」と叫び、候補に挙げてもらった。折角だから、遅れてきた人のリクエストに応えようということになって、「空の瞳」になった。これもよかった。全部、やってほしいくらいだった。もう一度、ヨッチャンがステージ前に出てきて、ソロをやる。1回目よりテンションが高くなっていたヨッチャンは、ガットギターを頭の後ろ側に持ち上げて弾いた!会場、大いに大いに盛り上がる! 今までに2回birdのライブを見て、必ず100%満足してるのだが、今日のライブは、今まで見てきたいろいろな人のライブも含めても、トップレベルのすばらしいライブだった。birdは、リズムがかっこよくて、ドラムやベースがいいし、コーラスもギターも聞いていて本当に気持ちいいのだが、今回のようにギターだけをバックに歌うと、歌詞がすごく近くに感じられた。それは、音霊の小さな空間がもっている一体感だとか、すぐ近くにいて何度も目が合ったように思える距離感のためもあるだろう。今まではメロディや演奏に気を取られていたが、今日という日は、すごく詞が心の中に入ってきた。「BEAT」「童神」「夕暮れの少年」「9月の想い」と、不覚にも涙がにじみ、時折、流れ落ちる汗と混じった。こんなに感動するなんて…。 MCもたっぷりあってかなり面白かった。京都出身のbirdのMCは、いつも吉本興業のノリなのだ。何度も何度も会場が爆笑だった。アンコールでは、「空の瞳」に続いて、何かやって、そのあと「髪をほどいて」とつづくが、曲の途中に2度、照明が消えて真っ暗になった。2度目に消えたとき、birdが「今の何?演出?」と言いながら歌を止めた。ヨッチャンはコードのカンペ(カンニング・ペーパー)を見ながら演奏していて、特に複雑なコード進行のこの曲は、カンペがないと弾きにくいと言った。そんなこんなで、もう一度、始めからやることになったのだが、これがなかなか始められないのだった。「また、途中で消えたらどうしよう」そのことを考えると笑ってしまって、このシリアスな歌をちゃんと歌えないもの…。そう言いながら、また吹いていた。 5分くらい笑いながらのMCが続いた。詞の中に出て来るガジュマルのことをヨッチャンが「カジュマル」と言ったので、birdにさんざん突っ込まれ、それでまた盛り上がって、なかなか歌に入れなかったが、ようやく「髪をほどくことに」なった。。「髪をほどいて」も切ない歌だった。この歌をこんなに深く感じたのも初めてだった。その次の曲が、ラストだった。たしか「GAM E]だったと思う(曲名をちゃんと覚えてないのだ…)。birdも言ったけど、観客の反応がとてもよく、ゆったりしたライブのつもりが滅茶滅茶ロックなライブになった。会場の雰囲気に合わせながらMCで盛り上げていくbirdは、やはりプロだった。いや、それ以前に、自分を見せて人を楽しませられるパフォーマーなんだなって思った。 外に出ると、たくさんの人が浜辺に座っていた。海風はまだ生温かったが、天然の扇風機のように少しだけ涼しかった。なんと気持ちのよい夜なんだろう。一人でいるのがなんだか勿体なかった。 家に帰ったら、birdのサイトに書き込みしようって思いながら、晩夏の浜辺を後にした。 |