♪小野リサ 30th Anniversary TOUR~旅 そして ふるさと~
相模女子大学グリーンホール
2018年5月27日(日)16:00-18:00/1階11列22番

 小野リサがデビューして数年くらいの頃、地元市民ホールでのコンサートへ行ったことがある。確か、チケット代が3千円くらいだったと思う。力の抜けた美しい歌声とまったりした語り口にすっかり魅了されたのを覚えている。すでにボサノヴァ女王の貫禄を感じさせたが、その後、息の長い活動を経て、本場ブラジルでも知られる存在になっているらしい。世界中にいろいろな音楽があるが、内なる情熱を力まず歌うボサノバのスタイルが僕には合っている。ジョアン・ジルベルトやセルジオ・メンデス、マルコス・ヴァーリなどボサノバ・コンサートには度々足を運んだが、一番多いのは小野リサだろう。チケットを取ってあって、特に予定もないのに自宅にいて、コンサートに行くのを忘れていたという残念な失敗もあるが…。そんな小野リサの30周年記念ライブ。いつも通り、ジャズのスタンダードやオリジナルの楽曲を2部構成で堪能することができた。古くからのファンも多いのだろう。客席は、現役を引退したくらいの年配者でいっぱいだった。僕なんか、まだ若い方だろう。超高齢化社会を実感する!相変わらず、ライブ覚書を書いている余裕がなく、このライブに行ってからも2ヶ月が過ぎている。もう、ライブの詳細はほとんど忘れているから、他のことを書くことにしたい。
 まず、ワールドカップ・サッカー・ロシア大会(6/14-7/15)だ。大会直線にハリルホジッチ監督が解任され、西野監督に交代し、その後の強化試合で負けが続いて散々マスコミに叩かれまくってから、予選での快進撃となる。グループHの日本は、まずコロンビアに大迫(半端ない)のセットプレーなどにより2-1で勝ち、続くセネガルとは2回先制されながら2回とも追いついて2-2の引き分けに持ち込む。非常に見応えのある試合は世界中から注目され、マスコミも「手のひら返し」で絶賛した。3戦目のポーランドには0-1で負けるのだが、反則数の差で2位通過となる。このポーランド戦も話題騒然となった。同じ時間帯に2位争いで試合をしていたセネガルがコロンビアにリードされていて、このまま進めば日本が反則数の差で2位通過できるという情報がベンチから選手らに伝えられ、残り15分ほどをひたすらパスで時間稼ぎをするという戦術が物議をかもした。「それが勝負の世界」と西野監督は平然と語ったが、「フェアではない」というバッシングが激しく起きた。そして、決勝トーナメント第1戦は、世界ランキング3位で優勝候補でもあるベルギーが相手。明らかに格上の相手に激しく攻められながらも、組織力で守り、果敢に攻撃する日本のサッカーは、みていて美しいものがあった。そして、原口元気のシュートで1点先行し、さらに4分後には乾貴士のゴールで2点目が入る。世界ランキングでは遙か上の国を相手と互角に戦う姿に、日本のファンのみならず、世界中の人が注目し、ひょっとしたら勝てるかもしれないという期待で大いに盛り上がった。
しかし、本気になったベルギーに激しく攻め込まれ、瞬く間に1点、2点と追いつかれ、アディショナル・タイム終了間際に3点目を取られて敗退が決まる。しかし、感動があった。負けはしたものの、大きな感動を巻き起こした監督と選手たちは、大きな拍手で迎えられた。サッカー選手たちのインタビューを聞いているといつも感銘を受ける。チームプレイに長けた選手らの言葉は、自己主張と自己犠牲のバランスが実に絶妙で、組織の中で仕事をしている者にとって、身につまされるものがある。
 これも1ヶ月ほど前になるだろうか。エフヨコの「FUTURESCAPE」で担当DJの小山薫堂とゲストの四角大輔の話が面白くて、興味をそそられた。僕はとにかく威張る人間が苦手で、特に弱者への思いやりが欠けていると人として興ざめしてしまう。そのせいか、好きな人、憧れの人は、語り口が穏やかな人が多い。それでいて、内面に強烈な情熱をもっていて、誰にも負けない信念がある人に強く惹かれるのだが、映画「おくりびと」やくまモンを手がけた小山さんもそんな一人である。四角さんのことは知らなかったが、ソニーミュージックなどで平井堅やchemistry、綾香などのプロデュースをしてきた人らしい。少し話を聞いただけで、自分好みだと感じた。即、近著「人生やらなくていいリスト」を買ってみたが、意外性がなさすぎるくらい期待通りの内容だった(笑)。紆余曲折を経て、四角氏は偉業を成し遂げた成功者といっていいのかもしれないが、それは結果であって、その過程で彼が自身の欠点にもがき苦しみ、悩み抜き、挑戦し続けてきたこと自体にとても大きな意義があり、強く共感できた。僕自身の中で相反することが同時に存在していて不思議なのだが、基本的に結果が大事で、手法は何だっていい、本人の得意なやり方で自由にやればいいと思っている反面、結果はどうだっていい、仮に失敗に終わり、成功者になれなかったとしても、精一杯自分なりにやり抜いたのであれば、それでいいとも思っている。時と場合によって使い分けているようなのだが、これが一々逆の人がいると、話が合わなくて困る。音楽でもサッカーでも一人でできることは限られていて、チームでどう成し遂げるか、それが今、一番の関心事かもしれない。