|
2003−7−5−SAT.SHIBUYA−AX
オリジナル・ラヴ 踊る太陽ツアー
19時過ぎ、ツアーメンバー7名がお待ちかねのステージ上に登場するなり、割れんばかりの拍手に包まれ、「踊る太陽ツアー」の幕が開けた。1曲目は、発売されたばかりのニューアルバム「踊る太陽」でも1曲目の「ブギー4回戦ボーイ」。会場は早くも総立ち!はじめから立見ではあるけれど…。今回のアルバムは、完成度が極めて高かった前作「ムーンストーン」に次ぐ11作目で、ファンとしては前作の延長線上のものを期待していたが、蓋を開けてみると、期待はあっさり裏切られた。田島さんへのインタビューによれば、はじめは前作の流れを汲んだものを書いていたようだ。ところが、シングル「恋の彗星」ができた段階で、前作の流れをすべて切り捨て、新たな曲作りを始めたそうである。テーマは、50年代のアメリカン・ロックンロール。エルビス・プレスリーということなのだが、聴いてみるとそれは紛れもなくオリジナル・ラブの音なのである。オリジナル・ラブの楽曲の特徴は、1つはリズム隊にあるように思う。特に僕は、うねるように上下してゆくベースラインが好きでたまらない。ピチカート・ファイヴのベースラインにも共通しているので、元は小西さんのベースラインなんじゃないかとも思う。そのまた元もあるかもしれないけれど…。
最近、田島さんは邦楽に興味をもっているそうで、何曲か邦楽をカバーしていた。その中に高倉健の「網走番外地」弾き語りなんてのもあって、大いに盛り上がった。またまたびっくりだったのは、本邦初公開のポエトリー・リーディング。田島さんはこれを「詞の朗読」と表現してたけど、前作「ムーンストーン」から「悪い種」と、他に海外作家の著作の一節を読んでいた。バッグに流れていたウッドベースのフレーズが怪しげで、田島さんと朗読の取り合わせもなんとなく可笑しく、会場もなんだかざわめいていた感じだった。結局、2時間ぶっ通しで「踊る太陽」全曲のほか、古い曲もたくさんやってくれた。中島美嘉にカバーしてもらって有頂天ぎみの「接吻」もよかったし、名曲「プライマル」のピアノ弾き語りも感動モノだったし、「ROVER」でも大いに盛り上がった!アンコールは2回。その2回目は田島さんが一人でギターをかかえ、プレスリーの「ラブミーテンダー」を熱唱した。素晴らしい「ラブミーテンダー」だったが、あのアクの強い田島節で歌うと、何か他の歌のように聞こえてしまうから可笑しい。ツアーメンバーのノリもさらにアップし、とりわけキーボード堀江さんは長髪を揺らしながら何度も椅子から飛び跳ねての超過激演奏が目立っていた。僕はステージの左壁際に立っていたため、大好きなベースが田島さんの死角で見えなかったが、逆にリーゼントが極まっていたギターの木暮さんは身近に感じられた。グッとエンターテイメント性が高まった今回の「踊る太陽」。田島氏は、昨年、岡本太郎にハマっていたそうで、「太陽」はもちろん太郎さんの象徴だったのである。音楽に対するひたむきさとどこかはにかんだような田島さんが、ふとした瞬間に植木等とたぶって見えたのには、我ながらびっくりしてしまったけれど、2時間半にわたり本当にサービス精神満点のすばらしい大満足のライブであった。田島さんの最後のひとことは「のすたるぢあ」の1フレーズ、「また会おうね〜」。来年も再来年も必ず行きやす!
田島貴男(Vocal・Guitar)/鹿島達也(Bass)/木暮晋也(Guitar)/佐野康夫(Drums)/
松本健一(Sax)/堀江博久(Guitar・Keyboard)/ラティール・シー(Percussion)
|