2012年から5年ぶりの来日公演である。2002年のデビューアルバム「Come Away With Me」がグラミー賞の最優秀アルバム賞を受け、最優秀新人賞や「Don't Know Why」が最優秀レコード賞やらと数えきれないほどの称賛で世界が迎えた衝撃が忘れられない。楽曲のよさもさることながら、独特のスモーキーヴォイス、そして、インド人の父親譲りの美貌が彼女の絶大な人気の理由であろう。これだけ大きな人気を博しながら、彼女のライブ・パフォーマンスは実に自然体なのがすごいところで、それは今回も健在だった。ただ、前回までの来日公演ではわりとよく喋っていたが、今回は「風邪をひいていてナーバスになっている」というMCがあった他は、あまりお喋りがなかったのは残念だった。逆にいえば、風邪をひいていても、ちゃんと予定通りライブをやってくれたことに感謝なのかもしれないし、そもそも、英語でのMCはほとんど聞き取れないのだが…。
 ライブは2部構成になっていて、第1部では、サポートバンド「Aloysius 3」による前座であった。ドラム、キーボード、ギターという3名によるインストゥルメンタル主体の演奏だった。正直、いまいち盛り上がらない楽曲ではあったが、第2部になると途端に演奏がよくなったように思えたのは、やはり、楽曲の違いだろうか。
 彼女は大ヒットしたデビュー・アルバム以降、必ずしもその路線を踏襲することなく、自由気ままに音楽性を変えてきたが、最新アルバム「DAY BREAKS」は、原点回帰の印象である。とりわけ「TRAGEDY」は、久々にジャジーな雰囲気でなかなかいいが、全体的にはやや地味な印象である。セットリストをみると、新作からの選曲は少なく、いろいろなアルバムからまんべんなくという感じである。ピアノだけでなく、ギターやキーボードを弾きながらも多く、相変わらず落ち着いた感じの風格のあるライブ・ステージであった。
 彼女の声は、ジャズ、そしてカントリーにとてもよく馴染む。発声もあるだろうし、元々生まれ持ったものも大きいだろう。声の魅力について、近頃、強く意識するようになった。声フェチという嗜好もあるらしいが、自分はそこまでではないと思うが、とにかく、いい声を聴いているとそれだけでうっとりとしてしまう。骨相学という学問もあるようだが、人の顔をみるときに、パーツより全体の形をみる傾向が強く、それは視力が弱いせいもあるかもしれないが、この骨相と声の響きには深い関係があるように思える。ノラ・ジョーンズのルックスと美声もしかり、顔がよければ声もいいと思うのは、あばたもえくぼ的なことなのだろうか。あくまで「好み」の話ではありますが…。


♪Set List
01. I've Got To See You Again
02. Tragedy
03. Out On The Road
04. Waiting
05. Something Is Calling You
06. Don't Be Denied (Neil Toung cover)
07. Chasing Pirates
08. Don't Know What It Means (Puss N Boots song)
09. Wake Me Up
10. Nightingale
11. Don't Know Why
12. It's a Wonderful Time for Love
13. Humble Me
14. Little Broken Hearts
15. Painter Song
16. Flipside
17. Carry On
18. Stuck
encore
18.Sunrise
19.Creepin' In
20.Come Away With Me

♪Norah Jones ~UDO ARTISTS 50th Anniversary~
武道館
2017年4月13日(木)18:30-21:10/2F東B列43番