Norah Jones and The Handsome Band
 
 Feels like home 
 
 2005/4/16
 
 パシフィコ横浜
 
 
 
 
 
 
みなとみらい線に乗って、クイーンズ・スクエアの中にある「みなとみらい駅」で下車する。まるで「銀河鉄道999」の終着駅のようなSFチックな場所。ここから、パシフィコ横浜までは徒歩5分もかからない。17:10、ノラ・ジョーンズとハンサムバンドのメンバーがステージに現る。それから、18:50まで会場はまるで「別世界」だった。ツアータイトル「Feels like home」のとおり、アット・ホームでくつろいだ雰囲気。ボクは、フロリダ、キーウェストのジャズバー「Two friends」でみた生演奏を思い出していた。まるで本当にアメリカに来ているような気分だった…。
 
真っ赤なキャミソールと黒のフリルスカート(素足)のノラが登場したときの会場は、どよめきに近いリアクションだった。「紅一点」という言葉がぴったりで、大きな会場の中で彼女だけが特別なオーラをまとっているような何とも艶やかな容姿だった。ハンサムバンドのメンバーは5名。デビュー時からのメンバー、Adam Levy(ギター)とLee Alexander(ベース)。それにAndrew Borger(ドラム)、Daru Oda(コーラス)、Robbie Mcintosh(ギター)による5名で、ロビーは今回のツアーから参加している新メンバー。
 
2002年、彗星のごとく姿を現した「歌姫」は、いきなりグラミー賞を8部門も制覇してしまう。「come away with me」は世界で1800万枚ものセールスを記録し、さて今後はどうなるかと思いきや、セカンド・アルバムもあっさり1000万枚を突破してしまう。彼女がどんなライブを行うのか、興味と期待と不安が入り交じった心境でステージの幕開けを待った。正直、そんなにもの凄い期待はしてなかった、というか期待しないようにしていた。そんな風にガチガチに期待していると、却って拍子抜けしてしまうことがあるから…。照明が消え、彼女とメンバーがステージに現れ、会場にどよめきが広がり、そして演奏が始まった。「なんと自然なのだろう?」アッと驚くような演出もなく、気負いも緊張感もなく、さらっと歌い始めた。ああこれがナチュラルといわれる所以なのか。スモーキー&ハニーといわれる声が心地よく響き始めた。
 
1曲目。一体、何だったか覚えてない。というか、彼女のCDはBGMのようにして聴いているので、元々曲名はちゃんと覚えてない。ピアノを弾きながら歌う姿からは、とてもリラックスしているように感じられた。その歌は、CDで聴いているのと何ら違和感がない。ささやくようなスモーキー・ヴォイスからパンチの利いた伸びやかな声まで、自在に響くこの声は、生で聴いてみるとやはり相当の魅力である。そして、ピアノもまた、さりげなくメリハリがあって、細かな音が声の空間を埋めていく。
 
他にピアニストがいても、彼女の音楽は成り立つに違いないが、ピアノも相当の腕前でありつつ、歌もうまいというのもセールスポイントなのかもしれない。そして、その美貌。インド人のシタール奏者を父にもつその容姿は、どこかエキゾチックである。別に歌とルックスは関係ないといえばないのだが、あるといえばある…。
 
いつもはBGMのように聴いていたが、ライブで聴くと、改めてすばらしい楽曲だと思わずにはいられない。大ヒットしたデビュー曲の「Don’t know why」をはじめ、「Sunrise」や「Carnival Town」などどれも感動的で涙が出るほどだった。
 
彼女の歌を聴いていると、「アメリカの心」ということを思わずにはいれなかった。カントリー、ロック、ジャズのいずれもがアメリカで生まれ、今まで歌い継がれてきた。ノラ・ジョーンズの歌は、それらのいずれかのジャンルに特定できるものではないが、そのルーツをしっかりと内包し、未来へとつなぐものであるだろうと思う。アンコールでは、「テネシー・ワルツ」を歌ってくれた。パティ・ページのオリジナルとはまた別の味わいがあって、とても美しい歌だった。とても心地よく、感動的で、来日したらまた行きたいと思うライブだった。