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okuda tamio
MTR&Y 05
shibuya AX
2005.5.11
OT40(奥田民生40歳バースデー)イブだった。なんとも淋しいライブだった。
終盤に入ってからのMCで民生は言った。
「メンバーが3人減って2人増え、ギターが独りになってしまいました。」
そうなのだ。ドラムのしーたかさん、ベースのねぎ坊、そしてギターの長さんがいないのである。かろうじて、キーボードのユータさんだけが残った。ユニコーンが解散してソロになってからも、5人がバンドのようにしてこの10年があったのだ。これまでもメンバー以外の演奏がなかったわけではなかった。あの名ミニアルバム「FAIL BOX」は、N.Yのスタジオ・ミュージシャンをバックに録られた。前作「LION」もN.Y録音。そのノリは、ロックの本場ならではの余裕と重みがあって、「アメリカはすげえや!」と思ったが、それでもライブはあくまでアノ5人だったのだ。
先月発売されたばかりのミニアルバム「comp」。クレジットされたメンバーが違うので不審に思ってはいたが、まさかそのままツアーもやるとは…?
新メンバーは、ベースが小原礼。尾崎亜美のダンナさんでもある。ドラムは、湊雅史。ロックからジャズっぽいものまで幅広くやっている人らしい。
1曲目は予想通り、「comp」のオープニング曲「ギブミークッキー」。いかにも「始まるぞ〜」って感じの曲だ。それから「快楽ギター」「ベビースター」とアルバムと同じ曲順で続く。CDで聞いている通りなのでここまでは全く違和感がなかったのだが、その次「ライオンはトラより美しい」だったかな、前作「LION」の曲を聴いて、あ然としてしまった。まず違うのが、ギターだ。ギターリストが1人いないのだから、当然なのだ。ユータさんが多少ギター・フレーズを弾いたりしていたが、やはりギターとキーボードでは音が似ていても全然違った印象になる。僕は個人的に長さんの情熱的なギターが好きだった。特にライブでは大きな楽しみの1つだったので、それがないと本当に空虚というか、淋しくて涙が出そうになってしまった。
それからドラムとベースも微妙に違う。技術的なことはわからないが、キレとドライブ感がないというか、以前とは違ってしまっていた。
「え〜、これでいいのかよ、民生ー?」と突っ込みたくなった。
でも、「comp」の曲では、全く違和感はなかったのだ。また曲によって、たとえば「人間」のように、キーボードが主体の曲なんかもあまり変な気はしなかった。
昨年ソロ10年、今年は11年目である。新しいスタートなのだろう。どういう経緯でメンバーチェンジになったのか、いずれ音楽雑誌等でわかるかもしれないが、民生の大いなる決断であり、新たなる挑戦なのだと思う。選曲は、「comp」全曲と「LION」からの曲が多かったが、「29」からも「ルート2」と2回目のアンコールで「BEEF」も演奏された。「FAIL BOX」だけなかったかな…?そうそう、「the standard」と「CUSTOM」、「イージューライダー」がなかったのも珍しい。「さすらい」は本編のラストにあった。
アンコール2回で、2時間20分。いつもより少し長めだった。終わってみれば、とても素晴らしいライブだった。そして、「comp」の曲が際だっていたようにも思えた。「快楽ギター」の歌詞にもある「俺のギターはつきさすギターだ」のように、何か突き刺さってくるような楽曲である。「LION」もそうだったが「comp」でさらにシンプルになってきた歌が、心に突き刺さってくる。長さんのギター、ねぎ坊のベース、しーたかさんのドラムも本当に聴きたいけど、民生の新しい挑戦も応援していこうという気持ちになっていた。
「こんな人になりたい」「こんな人でいたい」と思い続けることが大切だと思う。この10年、僕にとって民生はそのイメージの1人である。今の場所に安住しない姿勢は、今日も健在だった。すごい人だなと思った。
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