ORIGINAL LOVE
ムーンストーン・ツアー
2002.5.17 SHIBUYA−AX
 
 
 つい先週夏日が続いた東京は逆に冷え込んで、早春のように冷たい雨が降るなか、初めてSHIBUYA−AXに足を運んだ。オリジナル・ラヴのライブに行くのは、確か「TOUR on '95」以来なので、実に7年ぶりであるが、「たまには行ってみるか」程度の軽〜い気持ちだった…。3月に発表された10枚目のアルバム「ムーンストーン」を引っさげてのツアーである。長身細身の田島さんは黒のスーツに身を包み、ほかにメンバーは、ドラム、ベース、ギター、サックス、レコード・プレーヤーがいて、総勢6名。19時15分頃、演奏が始まるなり、会場がワッと沸き上がった。これはスゴイことになりそうだという予感に背筋がゾワゾワした。
 
 比較的こぢんま〜りしたSHIBUYA−AXは、1Fが立見、2Fが座席になっていて、私は1Fだった。整理番号順に入場したあとは好きな場所に行けばよい。私が入ったときはまだ空いていたので、ステージ近くの真ん中に場所を確保した。10mと離れてないので、田島さんが間近に見える。額の汗も、クネクネ・ダンスも、ギターの弦を押さえる指もよく見えて臨場感だっぷりである。
 
 ライブで聴くと、かなりジャジーな仕上がりである。ウッドベースだとか、サックスも鉄琴も雰囲気にマッチしているし、なにより田島さんが弾くピアノがよかった。ひと頃「渋谷系」と呼ばれたこともあったが、その後、アルバム毎に変遷してゆき、今は、なんというのだろう。ライブは、もう「田島ワールド」というほかない。MCも可笑しい。早口でお喋りなのに、とっても照れくさそうに話す。まるでDJみたいに曲を紹介したかと思うと、別人のように歌う。そして、クネクネ踊る!真っ赤なバラを投げる!
 
 お馴染みの曲もいろいろあった。一番古いのはファーストアルバムの「BODY FRESHER」。ピアノ主体のしっとりとしたアレンジが施され、ジャズ・テイストが心地よい。盛り上がったのは、やはり中期のもの。「KISS」とか「朝日のあたる道」とか。「THE ROVER」の観客のノリはもの凄かった!田島さんがジャンプすると、観客もみんなでジャンプして、会場全体が揺れているような感じだった。久しぶりにライブで演ったという「プライマル」が聴けたのはラッキーだった。ピアノ+ウッドベースというシンプルな演奏が、唄を引き立てて本当に素晴らしかった。
 
 2時間ほとんどノン・ストップ。その間、ピアノとギターとときにはサックスと、くるくる楽器を代えて演奏しまくり歌いまくりの田島さんだった。アンコールにも2度応え、ラストはタイトル・チューンの「ムーンストーン」を会場全体で合唱し、静かな余韻を残して終わった。しかし…、熱狂したファン(私を含む)は拍手を止めなかったので、とうとう、もう一度、田島さんだけがステージに再登場した。「もう終わりだから」とみんなをなだめる仕草が、隣に住んでいる音楽好きの兄ちゃん風で微笑ましかった。田島さんという人は、とにかく音楽が好き!というオーラが全身からでている人で、ある種、「職人」のようでもある。大抵の場合、やはりライブはいいものだが、オリジナル・ラヴについては、特にその傾向大である。CDで聴いていいと思う人には、ぜひ1度、ライブに足を運んでほしい。驚くよ、きっと!