歌、コントラバスと弓
20080105
後藤勇
ZAIM(関内)
昨今、ライブ三昧の後藤ではあるが、弾き語りというのは、ひさしぶりに聴く。本人が開設するHP「耳の穴」の8周年記念ソロ・ライブである。新年早々の書き初めならぬ、歌初め、弾き初めというところだろうか。会場は、旧関東財務局および旧労働基準局ということで、ZAIM(=財務)とシャレている。昭和3年に建てられた歴史的建造物の中は、エレベーターもなく、いかにも役所の事務所のような飾り気のない作りになっているが、市民団体やNPOが創造活動を行う拠点として利用されているところである。別室ではヨガ教室も開かれていたが、ここ405号室では、今まさに、後藤勇セルフ・プロデュースによる「歌、コントラバスと弓」が始まろうとしていた。
1曲目は、あれ、何だっけ?とにかくたくさんの曲が演奏され、歌われた。ほとんどの歌は知っていたが、どれも聴いたことがあるのは、ギターの弾き語り、またはバンドによる演奏で、コントラバスの弾き語りで聴くのは、初めての曲が多かった。後藤がコントラバスを始めてもう何年かたつと思うが、最初の頃は、コントラバスの弾き語りというのが、どうにも馴染めなかった。ギターに比べると、音の表情が単一で、それは和音を使わないことも関係していると思うが、とにかく物足りなさを感じた。しかし、後藤本人は夢中でコントラバスを弾き、歌っていた。もしかしたら日本で唯一のスタイルかもしれないが、とにかく楽しそうで、うれしそうだった。
今回は、2部構成になっていて、約30曲のレパートリーから選曲しながら、歌われた。1部はやや緊張していて硬かったが、2部になって、伸び伸びと演奏しているのが伝わってきた。聴いてても、2部の方の歌がよかったように思える。そんな中で、今日は、「チョンパー」がとてもよかった。という話を打ち上げの席でしたら、理栄さんも同じ意見だったので、まず確かだと思う。それから、新曲の「自由」もなかなかだった。自分自身、「自由」というのはとても気になるテーマなので、もう一度、よく歌詞を読んでみたい気もする。そうそう、所ジョージの話からなぜかスザンヌ・ヴェガの話題になって、あまりつながりのないままに歌われた「パーマ」も楽しかった。他にも、「JUDI」とか「声の音楽」とか「まなざし」とか、いろいろな詞の世界を味わうことができた。
私が後藤のライブを初めて聴いたのは学生のときだったが、それからかれこれ20年である。歌は、格段に上手くなった。といっても、ボーカリストとして卓越した技量をもってるとかではなく、以前に比べると、歌に表情が出てきたと思う。やはりそれは、ずっと歌ってきたからこそだと思う。それと、歳をとってきたこともプラスに作用しているはずだ。きっと後藤はこれから一生歌い続けると思うが、私もそれをずっと聞き続けるように思う。そして、できることなら、自分でも歌える人になってみたいと、やはり後藤の音楽に接すると、そういう気分にさせてもらえる。またいつか、後藤のライブで会う歌と、そして後藤のライブで会う人と「同窓会」みたいにして会いたいと思う。今日は、ありがとう!