Lisa Ono ”BOSSA NOVA STANDARD CONCERT”
 
2005年3月21日
ハーモニーホール座間
 
5時半開演。6時半までが第1部、6時45分から7時半までが2部の正味1時間45分。
もうあっという間の、しかも密度の濃縮された至福のときだった。
アメリカ、フランス、アフリカ、中近東、そして勿論ブラジルへ、ボサノバのリズムに乗せて世界各国の歌が奏でられる。それは、まさに「音楽の旅」と呼べる贅沢なコンサートだった。
 
1部は、少し控えめで、2部になるとにぎやかな曲が中心になり、心なしか音量も大きくなったようだった。毎回そう感じるが、構成がよく練れていて、演出もかゆいところまでよく手が届いていて本当に気持ちいい!
一夜限りのコンサート・タイトルは、「ボサ・ノヴァ・スタンダード・コンサート」。
いわゆるボサ・ノヴァのスタンダード中心というのではなく、小野リサがこれまでに歌ってきたファンにとってはお馴染みという内容である。しかしながら、アレンジは改めて書かれたり、もしくはアドリブで演奏されていて、それがどれもすばらしかった。ギター、ベース、ドラム、パーカッション、ピアノと小野リサという6人編成だったが、奇をてらったものではなく、あくまで原曲の雰囲気に忠実でありながら、さり気なく音楽的な遊びがたくさん発見できた。中でもピアノのメロディ・ラインは秀逸で、本当に聞き惚れてしまった。ラストの「イパネマの娘」も、何度も何度も歌われてすっかり飽きているはずなのに、今晩はまるで初めて聴くような新鮮さがあった。
 
小野リサは、人間の大きさ、深み、優しさ、美しさという意味で、ボクにとって「理想の大人=女性」ということに決めているのだが、今晩は、なんと彼女が「女王蟻」のように見えてきて、笑ってしまった。ステージの中央に「女王蟻」が座っていて、その前にいる会場の人全員がすっかり魅了されてしまって、「彼女のために働きます!」って忠誠を誓っている「働き蟻」という図。実際はその逆で、観客のボクたちはただ聴いているだけで、働いているのは女王蟻=彼女の方なんだけど、でも、この歌が終わったら、彼女のために明日から働こうという気持ちになっているという…。
 
1部、2部が終わって、アンコールは、彼女が育児中ということで日本の童話が歌われた。
「ふるさと」と「おぼろ月夜」。ブラジル生まれの彼女の童謡は、とても不思議な響きがあったが、この上なく美しかった。2曲終わったとき、会場のファンからポルトガル語(?)でかけ声があった。
小野リサが訳してくれた。「このアンコールをあと1時間やって欲しい!」ああ、本当に同感だった。たぶん、会場に来ている人全員が同じ気持ちだったんじゃないかと思う。
 
肩の力を抜いて、心の緊張をほぐして、それでいてこの上なく充足した時間。これぞ円熟と思しきライブだった。アフリカの子守歌「NAIMA」は、平和という意味があるという紹介があった。小さな子供に語りかけるような歌声に、優しさと深い祈りが感じられた。
 
〜小野リサ蟻塚在住の働き蟻〜