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Message Shuttle Vol.2
WAR? or PEACE?
ROCK OF AGES
新宿LOFT 2002/9/11
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「戦争のない21世紀を!」
そんな願いは早々に、NY世界貿易センタービルとともに崩れ去った。テロ、そして、報復。戦争にせよテロにせよ、血で血を洗う殺人行為が、今、この瞬間にも続けられている。
「疑心暗鬼」。防衛のための軍備が相手国の恐怖心を呼び覚まし、軍拡の連鎖が続く。
「戦争か?非戦か?」
答えはわかっているようなものだが、道程は思いの外険しい。
新宿LOFTでは、非戦のメッセージを発信するチャリティ・ライブを今年の3月から始めている。
今夜は、その第2弾。
あのウチナーンチュがステージを熱くする!
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■坂本サトル
アコースティック・ギターの弾き語り。野太い声は、ほんの少し川島英五に似ていて、とても心地よく響く。丁寧に歌われるのは、たとえば子供が寝ながら夢をみている様子だったり、別れた恋人が結婚したあとにも昔贈ったガラス玉の指輪を付けていた話だったり、とても身近で親しみやすい物語だ。「音楽が続けられること、そういう平和な国にいることに感謝し、何か自分にもできることをしたかった」そんな風に思いを語るひたむきな人柄が美しいメロディーとともに感じられ、とても共感できた。
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■Tom LaBlanc
神秘的なシンセサイザーのBGMと調和のとれたポエトリー・リーディング。インディアンを母にもつトムさんは、本国アメリカでインディアンの反差別運動や環境保護問題などに取り組んできたという。詞はすべて英語だったので、部分的にしか言葉はわからなかったが、それでも全体の雰囲気が十分に伝わってきた。そうそう高中正義の「虹伝説」のような雰囲気といったらイメージが浮かぶだろうか。いくつかあった詞の中で、雨粒のことを題材にしたものが特に印象に残った。「雨粒は自分の身を包み込む。雨は地球や宇宙とつながっているもの。だから、雨に包まれた自分もまた宇宙と一体化できるのだ」というような詞が、効果音のシャワーにくるまれて伝わってくる。
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■喜納昌吉&チャンプルーズ
幕が上がるなり、小さなライブハウスが騒然となった。キーボードとドラマーの2人と、Eギターを抱えた喜納さんがすぐ目の前に立っている。初めて見る喜納さんは、何事にも動じないという風格と神々しいオーラのようなものを発しているように感じられた。MCでは早口でよく話す。平和のこと。政治のこと。基地のこと。沖縄のこと。恋のこと。「本当は恋の歌だけ歌ってたいんだけど、そうさしてもらえないさ」「沖縄では仲良くしようと言ってる。右翼でも左翼でもなく仲良く。今の冗談、わかる?」会場が爆笑すると、人懐こい顔でうれしそうに笑う。本当に魅力的な人。ギターを三線に持ちかえて、名曲「すべての人の心に花を」。心の隅々にしみ込んでゆく詞、メロディ。右腕を勢いよく突き上げ、人差し指を天に向けて「泣きなさい、笑いなさい」とシャウトする。喜納さんの話を、一晩中聞いていたいような気がした。人を絶対に裏切らない人。信念のある人。思いやりのある人。度量の深い人。
後半の「ハイサイおじさん」は、もの凄かった。男女入り乱れてステージ前に集まり、両手を高らかと上げながら激しく踊りまくる。柵を乗り越えてステージに入っていった2人組もいた。酔っぱらっているようにも見えたが、喜納さんはそのまま歌い続けた。唄の後は、その2人や会場と話をしながら進められた。「どっかで会ったことあるね」「今日は、なんで暴れたの?」「何の唄、聞きたい?」心が通い合い、うれしそうに笑っていたのがとても印象的だった。
「スピリット」「バイブレーション」という言葉を喜納さんは何度も使った。「沖縄を非武装地帯にして、世界に平和をアピールする」とも言った。21世紀は、まだ始まったばかり。自分もできることからやってみよう、そんな気分になった。
「すべての武器を楽器に」
「すべての基地を花園に」
「すべての人の心に花を」
「戦争よりも祭りを」
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客席でたまたま隣にいた黒いドレスの女性と少し話をした。私のことを音楽関係者かと訊くので、単なるファンですと言ってから、喜納さんとの関係を聞いてみてびっくり。自主製作で映画を作っているという。新作は、日中合作の「青い月」というタイトルで、戦中〜戦後の中国孤児を主人公とした作品なのだそうだ。彼女は、映画の企画、そして主演を務めているという。その映画の最後に喜納さんが登場し、「すべての人の心に花を」を歌っているのだそうだ。そういえば、沖縄のライブハウス「島唄」に行ったときも、黒い服を着た女性と出逢った。もちろん、別人だけど、不思議といえば不思議。「青い月」が上映されたら、見に行ってみようか。
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