「非まじめ」のすすめ
 
著者:森政弘
 
 
 何でもいい。ひとつの専門をトコトン追求した人がもっている言葉には、真実があるように思う。この本の著者は、東工大の教授だった人で、ロボット工学の第一人者である。興味深いのは、ロボットを研究すればするほど、人間がわかるというのである。1つの例が、シャープペンシルの胴体部分を親指、人差し指、中指の3本でつまむ動作を考えてみる。人間がこれをやると、無意識のうちに、親指が他の2本の指の真ん中にきてバランスよくつまむことができるが、ロボットにこれをやらせようとすると、かなり複雑なプログラムを作らなければならないそうだ。当たり前と思っていることでも、ちょっと発想を変えてみれば「人間ってスゴイ!」と新たな発見があるという。
 すべて、考え方次第だなぁと思う。同じ事象についても、楽観的に思えたり、悲観的になったり、考え方次第で正反対に見えたりする。できれば前向いて楽しく考えたいと思うが、そのコツが「非まじめ」思考だと著者はいう。不まじめでもなく、生まじめでもない型やぶりな発想が大事だということで、なかなか役に立つ本なので、ひとつお勧めしたい。
 
 
(講談社文庫)