GRAPEVINE tour 2008
YOKOHAMA BLITZ
GRAPEVINEって何だと思って、辞書をひいたら、「ブドウのつる」の意味だった。結成は、もう10年以上前だが、ボクが初めて知ったのは、そんなに前じゃない。去年(2007年)の10月に発売された「ユニコーン・トリビュート」で聴いたときだった。彼らが選んだ歌は、「ニッポンへ行くの巻」だった。奥田民生が作詞・作曲したこの歌は、おそらく明治時代になって、外国人が日本に来るようになった頃の異文化との触れ合いの驚きと興味を情緒豊かに表現していて、とても好きな歌の1つだった。トリビュート盤を聴いていて、それぞれのミュージシャンなりの表現が面白
くもある一方で、やっぱり、ユニコーンで聴くのが一番いいと思えた。そんな中で、GRAPEVINEの「ニッポンへ行くの巻」だけは、段違いによかったのだ。田中和将ののびのびした声もよかったし、ギターサウンドがとにかく格好良くて、すっかり気に入ってしまった。ベスト盤から聴き始め、初期のアルバムを聴いた。最近のアルバムでは、プロデューサーに長田進の名前があって、さらにびっくりした。そう、民生のバンドで10年間、ギターを努めた長さんだ!長さんのギターがとても好きだったが、ソロ10年を区切りにバンドのメンバーが交代してしまい、民生の曲で長さんのギターを聴くことはできなくなって、とても残念に思っていたのだ。こんな風にまた「再会」できるとは!ライブがとても楽しみになった。
横浜BLITZは、パフィーや民生でも来てるので、もう何度目になるだろう。家からそう遠くないし、適当な大きさでわりと好きなライブハウスだ。隣に映画館があるので、大抵は昼に映画を見て夜からライブというパターンが多い。この日も「おくりびと」を見てからのライブだった。映画の方はとても面白くて、関係はないが、ライブへの期待も高まっていた。
1曲目は、最新アルバム「Sing」の1曲目「Sing」だった。CDと歌い方を変えたりせず、忠実に再現している感じだった。3、4曲続けてから、ちょっとだけ挨拶があったが、基本的にボーカル・田中和将のMCは少なく、ひたすら歌うタイプだった。客席は、20代くらいの若い人が多く、どちらかといえば女性の割合が高かった。観客のノリは悪くなかったが、名前を呼んだり、声をかけたり、ステージと観客の間でのかけあいはあまりなかった。それは、ちょっと残念だった。別に無理して話をすることはないのだが、ミュージシャンと観客の間にコミュニケーションがあって、会場全体が1つになっていくことがライブの醍醐味の1つだとボクは思っているので、ちょっと物足りなさがあった。
田中和将の歌声は基本的にとても高音で優しげなのだが、MCのときの話し声はドスの効いた低いだみ声だったのが、とても驚きだった。歌から感じていた人とは、全く別人だった。もっとナイーブな感じを想像していたが、例えていえば長渕剛のようだった。照れ隠しなのかもしれないけれど…。
選曲は、最新アルバム 「Sing」からが多かったが、古い曲もたくさんやってくれた。ボクも古い曲の方がよく聴いていたので、その方が楽しかったし、実のところ「Sing」はなんとなく暗くてあまり好きではなかった。それと、音量が大きすぎて、歌詞が聴き取りづらかった気もした。そんなこんなで、完全燃焼という感じではなかったが、それなりに楽しんできた。
さて、帰宅してから自室で[Sing」を聴いていた。ん?ライブ前後でCDがまるで違って聴こえた。すごくいいのだ。やっぱり、十分に聞き込んでなかったのがいけなかったのかもしれない。また、機会があれば行きたいな、そう思いながら、今日も「Sing」を聴いている。