春のゴンチチ
浜離宮朝日ホール
2010/3/13 [2FC3]
年の始め、そのとき聴きたいなと思ってる音楽を集めて、1枚のCDに編集している。あれこれごちゃ混ぜなので「チャンプルー」と命名して、かれこれ10年以上続けているが、昨年版「champloo2009」にゴンチチの「夕海月(ゆうくらげ)」を入れたので、よく聴いていた。2回ほどライブに行ったこともあるが、もう10年くらい新譜も買わず、あまり聴いてなかったが、「夕海月」を聴くようになって、またライブに行ってみようかなという気になって、久しぶりに行った次第である。
恩賜公園浜離宮に隣接する朝日ホールは、今回、初めて行ったが、こぢんまりとしていて木造の内装がとても落ち着く雰囲気でよかった。左右にギターが4本ずつ並んだステージにゴンザレス三上さんとチチ松村さんが登場すると、し〜んと静まりかえった会場が一気に沸き立った。「いや〜、あんまり静かなので、お客さん来てないのかと思いました」とチチ松村さん、相変わらずユーモア口調で面白かった。曲が始まると、それは紛れもない地球一快適音楽とかいわれたゴンチチ・サウンドだった。油断すると眠ってしまいそうなくらいα波で脳内いっぱいという状態になった。ギターだけのシンプルな演奏だったが、なんの不足もなく、心をたっぷり満たしてくれる。何曲目だったか、初めて聴く曲「歩いても歩いても」を聴いてるうちに、「福岡の家」を思い出していた。これは僕のクセのようなもので、心がホッと安らぐと、ふと福岡に住んでいた子供時代を思い出してしまうのだ。「あの頃に帰りたいなぁ…」という気分に浸っていると、なんともいえぬ至福感とともに、叶わぬ現実に悲しくもなってきた。
チチ松村さんが「今やった曲は、映画『歩いても歩いても』のサントラ盤の1曲目、2曲目で、同じ順番にやってみました。だから何というわけではないですが(笑)」とまた、会場を笑わせていた。この映画は観てないが、タイトルから想像できるのは、「歩いても歩いても辿り着けない」というイメージで、なんとなく今の自分がおかれてる日々と重なり、グッときてしまった。すごくキレイで優しいメロディの曲で、このCDは買おうと、早速、Amazonで注文してしまった。
「次の曲もみなさんの前で演奏するのは初めてです」という紹介が多く、今回は新旧を問わず、珍しい選曲になっているようだった。知らない曲もあったが、案外、半分くらいは知っていて、「zephyrus」とか「LOVE」とか懐かしさと新鮮みが同時に感じられてよかった。オリジナルばかりでもなく、「スカボローフェア」、映画「ひまわり」のテーマ、「枯葉」といったスタンダード・ナンバーもゴンチチ・アレンジで楽しませてくれた。
2部構成だったが、瞬く間に過ぎた。そして、「この曲が最後にはふさわしいでしょう」という紹介でアンコールの最後に演奏されたのが、「夕海月」だった。そう、「champloo2009」に収録して、今回のライブにくるきっかけとなった「夕海月」である。不思議な偶然を感じながら、すっかり満喫した。ライブの後、サイン会があった。CDまたはグッズを購入した人が対象というので、僕はエコバッグを買って、愛用しているノートにサインしてもらった。チチさんはクラゲマーク!(笑)「夕海月」好きなんですよとチチ松村さんに言ったら、「キレイな曲ですよね〜」と静かに微笑みながら応えてくれた。そう、確かチチ松村さんは、海月(クラゲ)を飼ってるのだ。なんだか、面白い人たちである。
帰りは少し遠回りして、銀座まで歩いて帰った。歩いても歩いても…。いや、いつかは辿り着けるだろう。また新たな気持ちで、次の場所まで歩いてみたくなった。