今回のライブは、「Another One」である。いわゆる追加公演だが、本公演とセットリストを変えている。普段のツアーではあまりやらないレアな曲もあると言っていたとおり、「怒りをくれよ」や「リアル鬼ごっこ」のような代表曲もあったが、定番の曲は殆どなかった。「Singin Now」や「形ないもの」もなかったが、特に残念だったのは、本公演ではあったらしい「サンライズジャーニー」がなかったことだ。この曲をたまたまラジオで聴いて彼らのファンになって、今でもたぶん一番好きな曲なのだが、なかなかライブで聴けない。そういう意味ではレアなのだが…。
 The Garden Hallはスタンディングなので、行くかどうか躊躇した。ずっと立ってるのも疲れるし、最近の若者は背が高いのでステージは頭と頭の間から垣間見るような感じになる。案の定、ちらっちらっと見る感じだった。音楽が聴ければいいようなもんだが、演奏している姿が見えている方がよりダイレクトな臨場感があるような気がする。そういえば、映像にBGMをつけるとより自分のこととして感情移入しやすくなる効果があると、先日テレビでやっていた。それとは逆の話だが、音に視覚が加わることでも何かしらの効果があるような気がする。
 MCの中で松尾レミが「ツアーの中でもこんな大きなところでできて幸せです」というようなことを言っていた。収容人数は1500人である。こないだのトミタ栞×スピラ・スピカのライブ覚書にも書いたが、あいみょんは2万人のアリーナである。人気=収益=評価となるが、それと音楽の優劣は殆ど関係ないだろう。人気者になりたい、愛されたいと多くの人が切望してしまうのは、必ずしもお金がたくさんもらえるからではないと思う。ミュージシャンでも野球選手でも大統領でも、自分の行為や存在に対して好意的な評価をよりたくさん得たい、自分の影響力をより大きくしたいという欲望が少なからずあると思うが、それがどういうものなのか時々考える。その欲望が向上心になったり、逆にストレスになったりもするのだが、いずれにしても情熱をかき立てる面が確かにあるように思う。人間ならではの特性なのかと思いきや、動物にも似た行動があるようだ。特に群れで生活する動物は、周囲に認められることが生き残りの条件になっているようだ。きっとそれは、生物の根源的な部分、つまり自分の身を護ることや自分の子孫を残すことにつながっているような気がする。その気持ちが強い人と弱い人がいて、自分の場合はたぶん、強くもなく弱くもないような気がしている。
 音楽界で一定の評価を受け、コンスタントにアルバムを発表してきたGLIM SPANKYの今は、安定期に入っているように感じた。鞄一つで長野から上京してきた頃の不安と期待がせめぎ合うような初期の楽曲とは少し違ってきたようだ。誰もが通る道なのかもしれない。これから彼らがどこへ向うのか、楽しみだ。

SET LIST
1 衝動
2 TV Show
3 不幸アレ
4 BIZARRE CARNIVAL
5 The Flowers
6 THE WALL
7 愛が満ちるまで
8 吹き抜く風のように
9 怒りをくれよ
10 ラストシーン
11 HEY MY GIRL FRIEND!!
12 話をしよう
13 闇に目を凝らせば
14 ストーリーの先に
15 Hallucination
16 The Goldmine
17 Fighter
18 赤い轍
19 Circle Of Time
encole
20 大人になったら
21 リアル鬼ごっこ


♪GLIM SPANKY
~All the Greatest Dudes Tour 2025 ”Another One”~
The Garden Hall
2025年7月11日(金)19:05-21:00/スタンディング