







この頃、両親の介護が始まろうとしていた。コンサートには行ったものの、年明けの中旬くらいから土日がほぼなくなった。ライブ覚書を書く時間もなくなり、ゴールデンウィーク最終日の今日(5月6日)、少しゆっくりする時間がとれて書き始めている。グレン・ミラー楽団は毎年のように来日していて、たまには行ってみようと思ってチケットを取ったら、ちょうど10年ぶりだった。折角なので、午前中は話題になっている「PERFECT
DAYS」を観た。ロード・ムービーは苦手で、ヴィム・ヴェンダース監督作品もあまり好みではなかったが、今作はそこそこ楽しめた。日々単調なトイレ掃除をする寡黙な平山(役所広司)の日常の中にある「完璧な幸せ」を描いているのだろう。こういう生き方は退屈だと僕には思えたが、当たり前の日常の中に小さな幸せを見つけることの大切さには強く共感できたし、この映画が大ヒットしている今の世相にも興味を覚えた。昼は劇場近くにあるレストラン「やさいの王様」で食べた。店内の雰囲気や野菜にこだわっているところが好きで時々行く。そういうお気に入りの店が幾つかあるが、大抵女子率が高く、この日も9割が女性客だった。日比谷から会場まではちょっと離れていたが、東京の街並みを歩くのも楽しい。途中、日産ギャラリーに寄った。23種もの日産車をかたどった柿の種を見つけたので、自宅用と友人用を購入した。さて、コンサートは、「Moonlight
Serenade」に始まり、「In the mood」まで定番の名曲の数々である。期待以上でも以下でもなく、特に凝った趣向もないので、少々眠くなってしまったが、10年に1度くらいはいいかなと思った。会場に来ている人もほとんどが高齢者だった。コンサート後、もう一度銀座まで歩いて、久しぶりにカフェーパウリスタへ寄った。僕にとっては義父との思い出の店である。何度も連れてきてもらった。芥川龍之介、井上ひさし、ジョン・レノンなど多くの文化人たちが集ったこの場所で、僕も義父から多くのことを教わった。他界して10数年が経つが、今でも困難に直面したとき、自信を失いかけたときに、義父の言葉が支えてくれている。自分のことばかり言う人がいるが、いつもさりげなく人のことを勇気づけ、楽しませてくれた義父のような人間になりたいと思っている。ジャズにも造詣が深かった義父とは、グレン・ミラー音楽の話もよくしたものだ。銀座へ行き、グレン・ミラーを聴くことで心の中に幸せが満ちてくる。パーフェクトなクリスマスになった。
♪Glenn Miller Orchestra
~concert tour 2023~
浜離宮朝日ホール
2023年12月25日(月)14:30-16:00/1階13列4番
