「吟遊詩団」ライブ後記
 
 
at ’Oldies Club’
 
 
 
 2001年の年の瀬、12月2日、伊勢佐木町の怪しげな界隈にあるライブハウス「Oldies Club」は、老若男女!ではありません、妙齢の女性から可愛らしい女の子まで、たくさんの人でにぎわっていました。一体、どういうつながりでこんなに沢山の人が足を運んでくるのか知りませんが、みんなこれからはじまる「吟遊詩団」の恒例ライブに集まってきた人たちです。それでは、観客の一人ではありますが、楽しいひとときを想い出しつつ、「吟遊詩団ライブ後記」と題して書いてみたいと思います。
 
 
 
 18時過ぎ、いきなり「吟遊詩団のテーマ〜WE ARE THE FOLK BAND〜」でスタート!この曲は、できたてホヤホヤのニュー・アルバム「歩いていこう」でもオープニングに入っているノリノリのナンバー。ファースト・アルバム「Troubadours」から比べるとかなりロックっぽい音になっているのに、これで「われらはフォークバンドだぃ!」というのだから、不思議である。続いての曲もニュー・アルバムからで「BIKE MAN」。これもロックかと思えば今度はスカのような裏拍リズムにのせてフォークっぽいメロディ・ライン。ちょっとしたオチがついてて、楽しい唄である。ニュー・アルバムを聴いたとき、かなりドラムが前面に出てパンチの効いたアレンジに仕上がっていると感じたが、ライブになるとなおさらで、さらに迫力があった。
 
 
 次に、お好み焼きを題材にした貢くんの唄「あんたがやって」があって、4曲目が「不朽の名作」とボーカルの窪さん本人も語る「おねえさん」と続く。ユーモアあふれるこの唄で、ライブハウスはいい雰囲気に盛り上がっていった。
 ここで少し脱線。「吟遊詩団」の魅力のひとつは、その音楽性の幅広さにあると私は思う。前作はラテン・フレーバーあふれるアレンジで陽気に楽しめたし、今度のアルバムは、よりハードなノリのよい曲やブルースや「ちょっと一息」的なバラード・ナンバーがいい具合に混じり合っていて楽しめる。
 さて、次の「腰痛ブルース」は文字どおり腰痛体験を唄ったブルースで、なかなかに味わいがある。続く「午前0時」はノリノリの恰好いいロック・ナンバー。「仕事に忙しく帰りが0時になってしまう人のことを唄った曲ですが、私はもう寝る時間です」といったワン・ポイントMCが可笑しかった。第一部のラストは、「大地」。窪さんの人柄が感じられる温かみのある名曲で、取りあえず一幕終了となった。
 第2部までの休憩時間(お食事タイム)には、余興コーナー(?)があった。窪さんの弾き語りあり、10月にメンバーになったばかりというギタリストさんのソロがあり、はたまたベーシスト氏の熱唱ありといった具合。このベーシスト氏はチューブの曲を歌ったのだが、これがまた実に声が通って、心洗われるような心地がした。そんなこんなで、徐々に結婚式2次会のような盛り上がりをみせるなか、第2部がスタートした。
 1曲目の「ゆうらゆら」は、窪さんもよく行くという沖縄をテーマにした曲で、ゲスト・ミュージシャンに後藤氏を迎え、三線が心地よく鳴り響いた。ここでまた余談。後藤氏と窪さんは仕事の関係で知り合ったそうで、後藤氏が主催するライブ「Match2.2(10月開催)」に窪さんが弾き語りで出演した経緯がある。後藤氏は、「耳の穴」というサイトで自作の音楽を発表していて、その音楽センスにはキラリと光るものがある。もし、興味をもたれた方があれば、ぜひ「耳の穴」にアクセスしてもらえるといいでしょう。
 
 
 さて、「ゆうらゆら」に続いては、「懲りない男のブルース」。この2曲はどちらのアルバムにも入ってないので、3rdアルバムにでも収録されるのだろうか。第2部になると、メンバーもほろ酔い加減なのか、リラックス&パワフルな演奏が続く。
 そして、MC。「1度聴いたら、忘れられない唄です」といって始まったのが、「県名」。唸るギターに吠えるボーカル。1分30秒!たちまち終わる。しかし、途轍もなく恰好いい曲であった。「愛知!愛媛!その中には愛がある!」で締めくくるあたりに、窪さんの人生観が感じられる。それから、「俺達シーカヤッカー」。CDで聴いても楽しい曲だが、生だとなおのことノリがいい。思わず一緒に「シーカヤッカー!」と叫んでしまったほど。
 ライブで過ごす時間もだいぶ流れた。続くは、離れた島から昔の彼女への想いを唄う「この島で」。キレイなメロディーにのせて、窪さんの伸びやかな声が響く。「この空の下 君がいればと何度も思いました だけど…時の流れは戻せないから」と詩が心に響いたとき、私は、涙ぐんでいた。詩の切なさと、そして、今晩、このライブハウスで出逢ったばかりの彼女とほんの少し話した言葉が混じり合って…。人はみなそれぞれに他人には言えぬ想いを胸の内にそっとしまって、それでもたくましく生きてゆくんだと、彼女をみていて胸が詰まってしまった。
                         
 
 ラストは、アルバム・タイトルの「歩いていこう」。「吟遊詩団」の良心と決意を感じさせる唄で、最後を締めくくるに相応しい唄である。それから、アンコール。ふたたび、ファースト・アルバムから「太陽と風と海」。生きるって、すばらしいよね。そんなメッセージを感じる唄である。
 私が初めて、窪さんに会ったのは、「Match2.2」だった。そのときの第一印象が「自由人」。窪さんには鳥のように翼があって、雄大な大空を悠々と飛んでいるような印象がある。この日のライブをみて、さらにその感を強くした。年に一度の年の瀬ライブ。来年も必ず来よう!そう誓って、「Oldies Club」をあとにした…。
 
 
 
 
 
<99・6・15>
太陽と風と海/俺達シーカヤッカー/おねえさん/GO HOME/腰痛ブルース/君は僕の隣りにいる/Miss Hairly/大地/海の仲間と
 
 
<01・12・2>
吟遊詩団のテーマ〜WE ARE THE FOLK BAND〜/BIKE MAN/午前0時/あんたがやって/県名/この島で/歩いていこう/旅立ち