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子供の頃には、「理想の家」というものがあった。
父ちゃんと一緒に行く「海釣り」「オリエンテーリング」「川遊び」。
母ちゃんが作ってくれる「夕食」「夕食後の楽しい団欒」のひととき。
 
「限りある時間であるから、有効に使いたい」
そう思って、つい、人生の「時間割」を作ってしまった。
作って、無味乾燥を味わった。
 
「1度きりの人生であるから、幸せに生きたい」
そう思って、つい、幸福の「偏差値」をはじき出そうとした。
その瞬間、不幸が始まった。
 
現実と理想には、ギャップがあった。
どんなに努力しても埋められないと思った。
生きていることが面倒くさくなった。
しかし、だからこそ、人は生きる意味を考えるのだろう。
生きる意味を知るのだろう。
 
34歳。なかなかつらい年齢である。
きっといつか、あの頃は楽しかったと思うに違いないけれど。
振り返って楽しかったと思うのは、きっとギャップの穴埋めに必死だった頃に違いないけれど。