「7年ぶりに来日したぜ、イェイ!」とグレン・フライが言い放ち、会場が沸き立った。「WASTED TIME/時は流れて」という彼らのバラード曲のように、「すべて無駄な時間になるのを恐れている」うちに月日は呆気なく過ぎた。つい2、3年前かと思っていたら、もう7年が過ぎていた。イーグルスは1971年に結成されて以来何度かメンバーチェンジがあり、1981〜82年頃に解散し、1994年から再び活動を始めている。現在のメンバーのうち結成時から在籍しているのは、ドン・ヘンリー(dr、vo)とグレン・フライ(gui、vo)のふたり。ジョー・ウォルシュ(gui、vo)とティモシー・B・シュミット(b、vo)を加えた4名が現行イーグルスである。ツアーには、さらにドラムス1、ギター1、キーボード2、ホーン・セクション3、パーカッション1、ストリングス1が加わる。目玉の1つと思われる「HOTEL CALIFORNIA」は早くも3曲目に登場。儚げなメロディとドン・ヘンリーの渋い声が甘美で退廃的な匂いに包まれた世界へと誘う。延々とつづく後奏で在りし日のカリフォルニアにタイムスリップし、我を忘れてしまうほどに聴き入ってしまった。そのあとも「I CAN'T TELL YOU WHY/言いだせなくて」をティモシーがハイトーン・ボイスで切なく歌い、「LYIN' EYES/いつわりの瞳」がグレンの甘い声で響く。ジョー・ウォルシュが歌う「IN THE CITY」では、スクリーンに映し出された地球が徐々にクローズアップされて東京の町に近づくというサービスもあった。結成時、ビートルズを目指したというイーグルスは、メンバー全員が歌えるバンドである。4人4様に描かれる世界観の違いはイーグルスの懐の深さに通じ、コーラスはひときわ美しく、聴き所は随所にある。1時間ほどで第一部が終了し、15分の休憩を挟んで、約2時間の第二部があった。
 第二部は、最新アルバム「LONG ROAD OUT OF EDEN」のオープニングを飾るアカペラ曲「NO MORE WALKS IN THE WOODS」からだった。ライブ向けにアレンジを変えたり、ソロ演奏を長くしたりということが一般的には多いが、イーグルスの場合は、ほぼ原曲どおりである。しかも、その音色、音質、演奏力は非常にハイレベルで、彼らが62、63歳であることがとても信じられないほどの力強さも感じる。今回のライブで初めて意識したが、イーグルスの曲は、歌と楽器のかけ合いがとても気持ちよい。まるで会話をしているように、声と楽器が雄弁に語り合うのだ。ドン・ヘンリーのソロヒット曲「BOYS OF SUMMER」やあまり知らなかったがジョー・ウォルシュの曲も後半は結構多かった。そして、いよいよアンコールである。「TAKE IT EASY」、そしてまたジョー・ウォルシュが歌い、ラストで必ず歌われる「DESPERADO/ならず者」で幕を閉じる。ドンとグレンが初めて共作した名曲中の名曲。約束通り、トータル3時間の充実したライブ。余韻にひたりながら、来日したら必ず行こうと思いつつ、ドームを後にした。
EAGLES
LONG ROAD OUT OF EDEN JAPAN TOUR 2011
TOKYO DOME
2011/3/5