bird with special guest
Billboard Live TOKYO 2009/11/29(sun)
 久しぶりのbirdライブへ行くはずの7月、江ノ島野外ライブが雨天中止になって、禁断症状が出ていた。CDを聴いていても何か物足りなく、生の声を聞きたくなる。そんな折り、たった2日間だけの公演があることを知り、とにかく申し込んだ。Billboard Live TOKYOは初めてだったが、雰囲気としてはブルーノート東京みたいなものだろう。食事をしながらゆったり音楽を愉しむという場所で、それはいいのだが、値段が高めで公演時間が短めという点があまり好きではない。が、この際、そういうことは忘れて、とにかく行きたかった。この会場はチケットを取ったあと直接電話をかけて入場整理番号をもらうしくみだったので、チケットが手元に届いたらすぐに電話してみた。なんと10番だった!
 案内されたのは、ステージ中央の最前列テーブルだった。birdが立つであろう場所まで手を伸ばせば届きそうな距離である。一人で行ったので相席だった。開演まで1時間近くもあり、この手の食事付きライブは、この時間を一人で過ごすのが少々居心地悪い。相席の人は、少しだけ年上風の女性だった。知らない人に声をかけるのは苦手だが、少なくともbirdファンという共通項はあると思って声をかけてみた。なんと、birdファンではなかった…。実は今回の公演はゲスト付きで、昨日が古謝美佐子、そして今日が宮沢和史。相席の彼女は宮沢さんの追っかけファンだった。ブームが20周年を迎えた宮沢さんの人気は根強く、8月に三浦半島であったソロライブも僕は抽選もれで行けなかった。そういう意味で、宮沢さんの歌も楽しみだった。
 宮沢さんを至近距離で見るのは初めてだったが、舞台慣れして全く動じない様子に底知れぬ凄味を感じた。自然に洩れてくるオーラが強烈!birdの「これが私の優しさです」に宮沢さんが谷川俊太郎の詩を朗読したのが二人の最初の仕事だったそうで、今回は「言葉が生まれるとき」のポエトリーリーディングを二人でやった。宮沢さんの朗読は迫力があった。声の響きがいいのと、抑揚の起伏が詞の世界をより浮き上がらせていた。次にブーム初期の「中央線」をデュエットした。宮沢さんの歌は凄かった。ギターの弾き語りだったが、青年期の不安や焦燥や冒険心がたっぷりと感じられて、心臓に突き刺さってくるようだった。わずか10分ほどの出演だったが、存在感たっぷりの宮沢さんであった。ただ宮沢さんを追っかけてきたファンにとってはあまりにも短い時間だったと思うが…。
 相席の人とは話が合った。宮沢さんのファンになるきっかけが「フェイスレスマン」だったことや一番好きなアルバムが「極東サンバ」であるとか、今年の野外音楽堂ライブの話などをしてるうちに開演になった。
 birdは真っ白なドレス姿に素足で登場した。目と鼻の先の華であり鳥である。目映かった。1曲目は来年発売予定のアルバムに収録される新曲だった。いい曲だった。抜群の歌唱力である。「童神」「スパイダー」「空の瞳」「髪をほどいて」などお馴染みのナンバーをたっぷり聴かせてくれた。MCもいつもながら楽しかった。旅好き写真好きの話からゲストの紹介があり、ついに宮沢さん登場!
 再び、birdである。偉大なゲストが帰ってしまうと、ふとステージが寂しく思えたが、それも一瞬でbird色に戻してしまうところが彼女のすごいところ。今年、デビュー10周年である。僕はbirdファンになってまだ数年だが、やはり声がいいと思う。歌がうまいだけではファンにはならない。発声のしかたが好きなのだ。声はかなりの部分がもって生まれたものだろうけど、その声をどういう風に発声するかは、その人自身が作り上げていくもので、自分はそういう「その人らしさ」に魅力を感じてるんだなと思う。その人と波長が合うかどうかって、案外、理由ははっきりしない。一体、波長とは何なのか?それはゆらぎであり、空気を伝わる声と同じなのは偶然というか、不思議である。birdはポップスもロックもジャズもR&Bでもラップでも何でも歌う。そのどれもが自分と波長が合うのだから、これは一生もんに違いない、と勝手に決めている。
 約1時間半のステージ。本当に充実していて、とてもいい時間を過ごすことができた。来年はニュー・アルバムが発売されるらしい。1つ、楽しみができた。