♪bird LIVE ! 2018
Billboard LIVE TOKYO
2018年1月22日(月)19:00-20:30/4C-3

 平日にライブチケットを取るのは、ちょっとした賭けになる。どうしても休めない仕事が入ったら、チケットが無駄になってしまうから。この日は、栃木に出張が入ってしまった。というか、ライブだったことをすっかり忘れて出張を入れてしまったのだった…(汗;)。スケジュール的にはギリギリ間に合いそうだったが、予定外だったのは突然の大雪。行きはまだよかったが、昼から本格的に降り始め、あっという間に白銀の世界に!仕事そのものも若干前倒しに進めてくれたが、それでも列車の運行が乱れはじめていた。「僕は車なので、大丈夫です」と言って現場で別れた後輩は、翌日、疲労困憊の様子で出勤してきたので、どうしたのか訊いてみたら、帰りの高速道路が渋滞し、そのうち完全に停まってしまい、徹夜してようやく帰宅できたということだった。よく出勤したものだと感心したが、午後は年休をとって帰っていった。今冬は記録的に寒く、雪も何度か降って、その都度、大混乱になっている。雪が降って喜んでいるのは、子供と犬くらいなものだろう。わが家の犬も、雨は嫌いだが、雪だとなかなか嬉しそうである。
 余談はさておき、birdが今年初のライブである。近頃は長いツアーをやらないので、単発のビルボードライブで聴くしかない。ビルボートも悪くないが、いかんせん公演時間が短い。1ステージと2ステージの両方聴くと時間的にはちょうどいいのだが、内容が同じで料金が倍かかるのでそれはできない。だったら濃密に楽しもう!今宵のbirdライブもとてもいい内容だった。
 1曲目の「スパイダー」は、birdとギターの樋口直彦さんだけが登壇。ギターだけでも十分カッコいいアレンジになっていて、シンプルだからこそ、birdのボーカルの魅力が堪能できる!続く2曲目でまたメンバーが増え、3曲目くらいから全員集合みたいな趣向だった。MCでbirdが雪の話を長々語っていたら、「雪の話はもういい」とゲンタさんに止められた。沖縄在住らしいゲンタさんには、寒いのかもしれない(笑)。それでも何回か雪の話題になっていたが…(笑)。後半になって、冨田恵一がゲスト出演した。10枚目の「Lush」を作った相方で、収録曲の「明日の兆し」も演奏された。
 1曲1曲をじっくり聴きながら、今一番しっくりくる音楽の1つがbirdという気がした。いわゆる人間の「好み」は、歳とともに変わるだろうか、時々考える。「基本部分はあまり変わらない」というのが僕の考えだが、でも、変わったように思えることもなくはない。音楽で例えれば、高校時代に大好きだったジャーニーやヒューイ・ルイスは今では特別好きではなくなっているが、同じ頃好きだったホール&オーツやイーグルスは今でも大好きなままだ。この違いは何だろう?やはり好みが少し変わって、前者はその対象からはずれ、後者はそのまま入っている感じだろうか。それとも好み自体に変わりはなく、以前は見えてなかったことが見えるようになって興味を失ったり、好きになったりしているのだろうか。しばらくそんなことを考えながら、井上陽水の「長い坂の絵のフレーム」をぼんやり聴いていたら、「時々はデパートで 孤独な人のふりをして 満ち足りた人々の 思い上がりを眺めてる」という歌詞にハッとした。もう何度も何度も聴いている歌だけど、このフレーズが唐突に、心の中に深く染みこんできたのは初めてだった。どちらかというと好みではない方の歌だったが、この詞がもつ独特の雰囲気に気付いてから、急に特別な歌になってしまった。これこそが、自分に見えてなかったものが見えたことで好みが変わったように錯覚する実例である。頭の回路がそんな状態のまま、ふと映画「タイタニック」のことを考えていた。あれは、ある種の横恋慕の話なんだなぁ、と思った。あのシチュエーションで、僕ならまず身を引くだろう。本心とは裏腹に、ついそうしてしまうに違いない。だからこそ、ディカプリオ分するジャックが、大富豪との婚約が決まっているローズを強引に奪いにいく姿に感動してしまう。そのことによる結果に全責任を負う覚悟や勇気や行動力に憧れてしまうのだろう。それが一時の恋愛感情に流されたものであったなら、感動はしない。しかし、あの話は、タイタニック沈没から84年後のローズの回想という形をとっている。そう、84年という時間を経過してなお変わらぬ愛を描いているからこそ、感動してしまうのだ。時代は常に変わり続けるが、その中にあって、決して変わらぬ価値を、真理を、自分の好みを、ずっと探し続けたいと思う。

Set List
1 スパイダー
2 Sometimes Rain
3 Run
4 GAME
5 明日の兆し
6 DA DA DA
7 BEATS
8 TIME
9 空の瞳
10 LIFE
anc
11 SOULS