ビルボードライブ東京 2014/12/8MON 19:10-20:40 5A-7
15th Anniversary Special -sings Early Years 『bird』&『MIND TRAVEL』-

 初めてbirdの歌声を聴いたのは、たぶん、宮沢和史のソロ・アルバム「SPIRITEK」(04)の中でだ。同名の歌をデュエットしていた声の独特の響きは悪くなかった。その年、birdの5枚目のアルバム「vacation」が発売になった。数寄屋橋のHMVで見つけて、迷った末に買わなかった覚えがある。CDも3千円ほどするので、そうそう買えなかったのである。ただ、心にひっかかってはいたのだろう。その翌春、たまたま見かけたbirdの招待ライブに応募したら当たり、何ひとつ歌を知らずに出かけ、一夜にしてファンになったのが始まりである。かれこれ10年ほど前の話である。

 今年、birdはデビュー15周年を迎えた。すでに1月、アニバーサリー・ライブに行ったのだが、今回は、初期2作品のみからの選曲というのがウリである。これも不思議といえば不思議で、僕が聴き始めたのは「vacation」からで、プロデューサーが田島貴男(オリジナル・ラヴ)だったというのも奇遇なのだが、かなり好みに合う内容で、すっかり気に入ってしまった。そのあと時代を遡り、初期の作品を順に聴いていったのだが、「vacation」を基準にしてしまうと、大沢伸一による打ち込みっぽい音楽には少々違和感があり、すぐには馴染めなかったのだ。こちらがいわば、本来のbirdといってもいいのに、である。しかし、10年近く聴き込んでくると、初期ならでは魅力がわかるようになり、初期限定の今回のライブはまたとないチャンス、ということで行くことにした。

 黄色っぽいドレスに裸足。いつもながら伸びやかな歌声がなんと気持ちいいことか!「都会的な衣装」というコンセプトだったらしいが、メンバー間で見事にてんでバラバラながら、演奏はピシッと極まっていた。技術的なことはよくわからないが、本来打ち込みで作られた曲を演奏するのは、かなり難しいのではないかと思う。歌うにも難しい曲が多いと言っていたが、15年間歌い続けてきた確かな力量が感じられた。「BEATS」だったか「SOULS」だったか忘れてしまったが、みんなでマウイ島に行き、大沢さんが浜辺でギターを弾きながら書き上げたというエピソードを田中義人が紹介したら、オアフ島だかでも大沢さんは海で泳ぐでもなく、浜辺で曲を書いていたという話をゲンタさんがしてくれた。確かに、異国の、それも南方系の雰囲気が感じられるのは、そういう場で書いたことが影響しているのかもしれない。音楽には、場の雰囲気や時代の空気といった抽象的なものをパックしておける長期保存機能があるように思える。昔の歌を聴くと、その頃の匂いさえ蘇る、そんな経験をした人は少なくないだろう。

 アンコールを含めて、11曲。ビルボード・ライブは2ステージ制ゆえに、時間の短かさ(90分くらい)がネックではあるが、しかし、密度の濃い、満足度の高いライブではあった。また来年も行こうと思う!

ps.ライブ終了間近に、会場へ到着した客がいた。会社の同僚らしき人に「最低だよ〜」と泣きついていたが、他人事ながら気の毒に思えた。昨年、すっかり行くのを忘れていたというバカな失敗をしたことがあるが、それは自業自得として、ライブは会場へ行くまで、結構ハードルがあってヒヤヒヤするものである。.

Personnnel

bird(vo)
GENTA(dr)
澤田浩史(b)
田中義人(g)
金子雄太(key)
渡辺貴浩(key)
Meg(bgv)

Opening Music Selector
SILENTKITTO