

2014年1月11日(土)、21時05分。素足のbirdが青いドレスを身にまとい、ステージに現れた。
僕らの「青い鳥」。オープニングは、最新アルバム「9」と同じ「Theme No1」(だったと思う)。2ndステージのせいか、1曲目からすでに演奏がこなれている。これぞ、気心知れたバンドならではの呼吸というものだろう。田中義人(g)、金子雄太(k)、澤田浩史(b)、Genta(d)、それぞれが日本を代表するようなミュージシャン。そんな面々をバックにbirdの伸びやかな、艶やかな歌を聴ける歓びのひととき。
10〜20代の頃、手当たり次第に様々なジャンルの音楽を聴いていたが、今ではあまり興味を感じなくなってしまったものと、今の方がさらに好きになっているものがある。イーグルスやドナルド・フェイゲンなどが後者の例だけど、20余年聴き続けることによって、自分の中で熟成されてきた味わい深さのような感覚がある。本当に好きだと思えるものを知っている歓びである。たぶん、年齢と関係していると思うが、広く、遠くへという意識から、深く、密にという方へ関心が移ってきたと感じる。手に馴染んだ古いモノサシだからこそ、ピシャッと目利きできる、そんな感覚がある。
2曲目の「RUN」、「bounce」、「焼きつけてサンセット」、「ROOTS」に続いて、Gentaさん作曲の「最終便」は特に好きな曲。初めて買ったbirdの5thアルバム「vacation」に通じる世界観は、birdでしか表現できない唯一無二のもの。わずか数分間、至福の時が過ぎていく。Gentaさんといえば、今宵は、いつものスキンヘッドではなく(普通の長さ)、格好も今までのダラッとした感じではなかった(サラリーマン風)ので、遠目には全く別人だった(笑)。本人曰く、「係長のイメージ」なのだそうだが、かなり新鮮だった!
昨年9月発売の9作目の「9」は、前作「NEW BASIC」と同じく、ライブ録音で作られている。僕もオーディエンスとして録音の場に参加できたが、やはり何度か聴いてから行くライブの方が楽しめる。これは、大抵の場合、1回目の方がいい映画や本の場合と明らかに違うところ。なぜ、そうなのか?この「順番の法則」(僕の勝手な命名です)が昔からずっと気になっているのだが、相変わらず謎のままである。
テンション高めのbirdは、MCも絶好調だった。いろんな話があったが、印象に残ったのはパズル好きだった学生時代の話。家の中に引きこもってパズルに熱中していたそうだ。まさかステージに立って人前で歌うような仕事をすることになるとは、全く想像してなかったという。偶然か、必然か、それとも運命の悪戯なのか、神のみぞ知ることである。田中義人作曲の「Bitter
Sweet Friday」、デビュー曲「SOULS」に続いて「パズル」。舌を噛みそうな早口で捲し立てる歌詞にいつも感心してしまう。そして、その声には、いつも特別な心地よさを感じる。大胆にアレンジされた「空の瞳」がラストナンバー、アンコールが「満ちてゆく唇」だった。全11曲。ビルボード・ライブは、短いから好きではない。それでも1時間半近くになるので、充実感はあった。
今年は、1999年のデビューから15周年である。少なくとも今年中にもう1回は、birdライブに行こうと思う。
「青い鳥」の存在を確かめるために。