新潟に旅行中、阿久悠さんの訃報を知った。8月1日、70歳だった。不思議なことに悲壮感というものがなく、偉大な作詞家がその生命の限りを尽くしたことを敬う気持ちになった。
作品は実に幅広く、多い。代表曲を特定するのさえ難しい。その数、5千曲。「北の宿から」「勝手にしやがれ」「UFO」「宇宙戦艦ヤマト」「どうにもとまらない」「津軽海峡・冬景色」「熱き心に」…と、キリがない。
優しい日本語で日本人の心をずばりと言い尽くしてしまう魔法の詞。一瞬にして情景が浮かびあがり、ドラマが動き出す。歌の中の主人公を身近に感じながら、その揺れる思いに自分の気持ちを寄せて、誰もが共感してしまうような詞。
僕は、阿久さんの詞の中に「孤独」と「熱き心」を感じて好きだった。独りは淋しい。だから、誰かを想う。秘かに、静かに想うのは、それほど大切な想いだから。それは、実に日本的な美学だと思う。
時々、阿久さんの「時代おくれ」を歌う。そんな男に、いつかなりたくて
「阿久悠さん、ありがとう」
20070805「ひとこと」