aiko Live Tour
Love Like Pop vol.
15
add.
2013/1/20 18:40-21:40
横浜アリーナ
北10列 135
デビュー2年目1999年(平成11年)の3rdシングル「花火」。「夏の星座にぶらさがって 上から花火を見下ろして〜♪」というフレーズが琴線にひっかかったのが、たぶん「はじまり」。メロディへの言葉の乗せ方が面白いし、歌唱力も抜群、ルックスもいい。そして、続く4thシングル「カブトムシ」が衝撃だった。今でも一番好きな歌だと思う。こんなにもひたむきで切ないラブ・ソングを低音から超高音まで自在に歌えて、しかも何にも似てない独特のメロディライン。甘い匂いに誘われるカブトムシに恋心を例えるというユニークでちょっと可笑しみのある言葉世界。ジーンズにTシャツの普通の女の子なのに、実はすごい才能を隠している。以降、新作が出れば必ず買うようになった。翌2000年には「桜の時」、「ボーイフレンド」とヒットを連発。改めて調べてみると、6thシングルの「ボーイフレンド」から29thシングルの「ずっと」までのほぼ全曲がチャート1〜4位を記録している。これは、かなりすごいことである。僕が好きなミュージシャンで一番売れてそうなパフィーでも1〜5位になっていたのは7thシングルの「たららん」まで。デビュー曲の「アジアの純真」から2年くらいの間である。10年以上ヒットし続けているミュージシャンというと、ミスチルか安室奈美恵くらいしか浮かばない。
実は、今回が初めてのaikoライブだった。ここ10年間ほど毎年、チケットを申し込んでいたがずっと抽選にもれ、そろそろ諦めようと考えていた矢先、ダメ元で申し込んだ追加公演でついにチケットが取れたのだった。初めてライブを見て、なぜチケットが取れなかったのか理解できた。確かにすごい!ファンを大切に思う気持ち、ファンを必要とする気持ち、ファンからaikoへの気持ちも同様に強く、aikoとファンの間には容易には断ち切れない強い絆ができあがっていた。場違いなところに来てしまったような、「なんなんだ、これは!」というのが、正直な感想である(笑)。
この夜のライブは、スペシャル・ライブだった。デビュー15周年の追加公演。入口で配られた腕バンド(aiko曰く、束縛バンド)は、内蔵されたLEDによって白、赤、青、緑の4タイプがある。故障している人も少しいて、ずっと点きっぱなしの人と、僕のはついに一度も点灯しなかった…。曲に合わせてどこかから発信される信号に反応して光るしくみになっていて、会場全体が満天の星空のようになったり、キラキラ点滅したり、1万人を超える人の動きで揺らぐ光の群はどんなイルミネーションよりも心に迫るものがあった。アリーナ中央部には細長〜いステージが伸びていて、aikoは何往復もしながら観客の真ん中に入っていった。時には走りながら歌っていたが、全く息が切れないのだからすごい。照明や舞台装置の演出も凝りに凝っていて、これまで僕が行ったライブの中では、俄然突出していたユーミンと同レベルだった。バンドメンバーは10名ほど、ストリングスも20名くらいいて、かなり大規模な編成になっていた。
客層は、20代女子が多いようだったが、10代〜70代と実に幅広い。aiko本人は37だが、「ほんまカワイイわぁ、どうしよう〜」と後ろの席にいたずっと年下と思われるファン(関西から来た様子)がため息を漏らしていた。今や海外にも広まりつつある「カワイイ」というサブカルチャーと同じ感覚なのだろう。僕自身は、「カワイイ」という感覚が薄いし、あまりの熱狂ぶりに圧倒されて、もはやそのテンションについていけなかったが、現代日本文化の一角に身を置いた衝撃と、デビュー時から聴き続けてきたaikoがこんなにも大きな存在になっていることに喜びを感じていた。15年にも渡って「愛されキャラ」を演じ続けてきた努力にも敬意を表しつつ、大いに感銘も受けた。隣の女性は「桜の時」を一緒に歌っていたし、僕は「カブトムシ」で泣いてしまった。みんな大満足だったに違いない。
3時間に及ぶライブだったが、そのうち1時間近くはMCだったような気もする(笑)。早口でしゃべりまくって、アンコールのあとも一人残っておしゃべりをして、アカペラでまた歌い、そのあともまだ喋っていた。「しつこいでしょ!」って自分でツッコミ入れてるのが、健気で可愛く思えた。出口のところでは、aikoからの手書きの手紙も配られ、まさに至れり尽くせり。ライブの後1週間ほど、すっかりのぼせてしまっていた…(笑)。