ひっそりと静まり返った夜の国分寺街道を、時折車が通り過ぎてゆく。
3人とも、適度に酔っていた。
A:「なあT君、結構いい線いってたじゃん!」
T君:「えっ、何が?」
A:「何がって、さっきの女の子だよ〜。すごくモーションかけてきたのにさ〜。なん であそこであんなこと言っちゃったの?」
B:「そうだよな〜。高1の彼女なんてダメサ〜なんて、冗談で言ってるのかと思っ たよ。」
T君:「だって、相手は高校のそれも1年生なんだぜ。やっぱり、まずいよ〜。」
A:「ダンメッ、T君!愛に年の差はないの!」
T君:「だけど、煙草も吸うんだぜっ。」
A:「煙草なんかT君がやめさせればいいんだよ。どうせ、恰好つけて吸ったふりし てるだけなんだから。」
T君:「そうか〜。…でもな〜、将来のこと考えるとな〜…」
B:「先のことはともなく、まずはつき合わないと!」
T君:「そうか!まずは友達からか。これが基本なんだ!」
こうしてT君は、1つの偉大な原則を悟ったのである。
「まずは友達から」
この大原則、すなわち時間と空間を超越して存在する大引力、大生命、大霊力たる道理を悟るまでに、T君はどれだけビッグ・チャンスを逃してきたことだろうか。
しかし、彼はまだ大学3年生だ!まだ、1年半ある。がんばれ、T君。負けるな、T君。きっと明日は明るいぞ!
(完)