
相変わらず民生のチケットはなかなか取れない。今回は、運良く取れたけど、ステージは遙か彼方である。近くで見たいとかってあまりないし(少しはある)、後ろの席だと座って見られるからいいと思っていたが、すぐ前の人達が立ったため、ステージがほぼ見えなくなり、開演から終演までスタンディングになってしまった(汗;)。民生はソロデビューから10年の2005年にバンドのメンバーチェンジをしてから今の4人編成である。MTRY=M(湊雅史:Dr)+T(奥田民生:Gui、Vo)+R(小原礼:B)+Y(斉藤有太:Key)である。メンバーチェンジの前後で民生の音楽性がだいぶ変わったと思う。ライブでやりやすい曲を作る、というようなことをライブMCで話してたこともあった。チェンジ後の方がシンプルで骨太な印象、チェンジ前の方がメロディックで繊細な機微があったように思う。どっちがいい悪いはないが、個人的には前の方に好きな曲が多い。今回のセットリストでいえば、「The
STANDARD」、「さすらい」、「イージュー★ライダー」などが前バンド時代の楽曲である。「息子」とか「野ばら」とか「CUSTOM」とかも前バンド時代だからかセットリストにはなく、そこは残念だった。民生のMCは相変わらずまったりとした独特の雰囲気を纏い、面白かった。「今日は相模女子大のホールと聞いて来たわけですが、女子大生、どこにもいないじゃないですか!だいぶ昔の女子大生はいるようですが(笑)」みたいな話で笑いを誘う。内容が面白いというより、間がいいのだろう。その辺は、陽水さんとちょっと似たところがある。話し上手というのではなく、話している人が面白いのだ。それでいうと、やはり陽水さんの方がかなり可笑しいけど(笑)。
ユニコーンが解散して、ソロ・デビューアルバム「29」がリリースされたのが1995年3月である。民生の著作「FISH or DIE」(1996年発行)には、ソロデビュー時の心境が書かれていて、興味深い。「テレビとか見てると、詞が全部同じじゃないですか。これはつまらん!ラヴソングだったり頑張れソングだとして、俺はそれを聴いて頑張る気にまったくなれない(抜粋)」というようなことが書かれている。この辺の感覚に僕も共感する。「君はバラのように美しい。僕の人生のすべてです。愛してます。一生大事にします」みたいな歌詞には何の才能も感じることができない。例えば「野ばら」だったら、「♪天気予報の確率が高まれば 君の機嫌がある程度わかるのだ と そういうわけには いかないかなあ いい調子でやってるかなあ」と歌う。愛してるなんて一言もいってないのに、その人への思いやりや思慕や愛情がじわじわと伝わってくる。そういえば自分もそんな気持ちがあったなあみたいに、自分事として聞き入ってしまうのだ。まあ、それは人それぞれの好みでいい!多種多様でいいし、その方がいいとは思う。今、世界は、トランプ大統領の「アメリカン・ファースト」が大旋風を巻き起こし、我よわれよとファースト・ブームである。正直、愕然としてしまう。人類よ、それでいいのかと心配になる。2月28日、突然始まったアメリカとイスラエルによるイラン軍事攻撃「エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦」にも大義名分はあるだろうし、一昨日(3月27日)、池袋のポケモンセンターで女性店員が元交際相手に刺殺された事件でも加害者に言い分はあったのだろう。しかし、それは自分ファーストな発想でしかない。自分を怖がらせ、苦しめるヤツは許せない、死滅させるしかないという言動は、百歩譲っても身勝手で理不尽の極みである。以前読んだ「ヒトラー~虚像の独裁者」の中にあった言葉を思い出す。「過去に目を閉ざす者は、結局現在に対しても盲目になる」。ヴァイツゼッカー独大統領の言葉である。老人や大人達が子供達の命を、未来を奪い続けている。戦後80年が過ぎ、人類の危機が迫っている気がしてしまう…。
SET LIST
1 スルドクサイナラ
2 解体ショー
3 ライオンはトラより美しい
4 ギブミークッキー
5 うちょうてん
6 みんな元気
7 僕的他
8 なんでもっと
9 音のない音
10 The STANDARD
11 マイカントリーロード
12 何と言う
13 フリー
14 スピード
15 MANY
16 フロンティアのパイオニア
17 MTRY
18 意外な言葉
encole
19 さすらい
20 イージュー★ライダー
♪奥田民生
~「MTRYツアー2026”春 Ooh La La”」~
I相模女子グリーンホール
2026年2月7日(土)18:00-19:50/2階9列57番