この日は、映画「WE ARE Perfume」を見てからの民生ライブだった。両者の共通点は、広島出身であること。民生は何かにつけ広島出身であることを語る。近著「ラーメン カレー ミュージック」の中でもこんな風に書いている。「広島で生まれ育ったのはけっこう大きいんじゃないのかな。アンチ巨人というか、王道じゃないものが好きだったりする性格もたぶん、広島で培われている気がする。(中略)Perfumeも僕も広島だけど、共通点なんてまったく思い浮かばないし、あまり関係ない気がするじゃない?(笑)そういうのが呑気でいいなあ。」という具合に、筋は通ってないのだが(笑)、いいたいことは伝わってくる気がする。だいぶ前に民生が弾き語りライブの中でいきなりPerfumeの「レーザービーム」のサビを歌ったことがあった。アコギでテクノポップを歌っても全然違う曲に聞こえるわけで、そこが本人的にも面白かったのだろうし、その唐突な音楽的遊びに観客も沸いたのだった。
 さて、僕個人はPerfumeの音楽に全く興味がなかったにも関わらず、「WE ARE Perfume」には深く感動してしまった。地味なローカルアイドルから努力を積み重ね、少しずつ這い上がってきたからこそ、ファンを大切にし、ほんの些細なことでも修正し、僅かでも向上させようと並々ならぬ努力を続ける姿勢に心を打たれた。その余韻さめやらぬ中、民生のライブが始まった。メンバーはいつもの
M(湊史)T(奥田生)R(小原)&Y(斎藤太)。Perfumeのような派手な演出のないシンプルなステージは、ハッキリ言って地味だ。MCもいつもどおりどうでもいい時間つぶしかのような内容をたらたら話す。「その半笑いの反応…。どう反応すればいいかわからないんですよ、東京の人は。いや、全国どこでも同じなんですけどね(笑)。」というような中身のない話で間を埋めていく。ファンをぐいぐい盛り上げていくPerfumeとは対照的なステージである。
 しかし、次第次第に、引き込まれていく。やはり、歌がいい。ニューアルバムは「O.T. Come Home」以来2年出ていないので、逆にいろいろな曲が聴けた。比較的新しめの選曲だったが、どれもハズレがない。最後の曲「風は西から」を聴きながら、もっとずっと聴き続けていたいという気持ちになっていた。2曲目のアンコール、「御免ライダー」のあと照明がつき、場内アナウンスが公演終了を告げても拍手が止まずにいたら、もう一度アンコールがあった。BGMは、ルイ・アームストロングの「What a womderful world」だったのだが、何と、民生がサッチモを真似て歌い出し、会場は大喜び!近頃はそういった情報がネットやラインやらで流れていて、サプライズにならない人もいたのかもしれないが、事前情報を全く調べない僕のようなファンにはとっても嬉しい演出だった。ラストの「イージュー★ライダー」では、かなりの部分を観客に歌わせていた。民生自身「代表曲がない」と言っているが、でも、この曲は最有力候補だろう。確かにブームの「島唄」とかパフィーの「アジアの純真」だとか、ユニコーンの「すばらしい日々」のような代表曲ではないのだけれど、しみじみ名曲だと思う。
 ユニコーンもいいけど、やはり自分はソロの方が好みだなぁ…。


Set List
01
解体ショー
02 フリー
03 ライオンはトラより美しい
04 E
05 チューイチューイトレイン
06 スモーキン・ブギ(カバー)
07 まんをじして
08 いつもそう
09 海の中へ
10 フリーザー
11 息するように
12 ヘヘヘイ
13 ギブミークッキー
14 イナビカリ
15 無限の風
16 フロンティアのパイオニア
17 最強のこれから
18 風は西から
encore
19 わかります
20 御免ライダー
encore2
21 イージュー★ライダー




♪奥田民生「2015年ツアー秋コレ」
Bunkamuraオーチャードホール
2015年11月9日(月)19:10-21:10 / 3階3列21番