沖縄音楽フェスティバル 2012
 7/28(sat) 16-19 新宿文化センター

 沖縄好きで、もう8回ほど、それも本島ばかり行っている友人(本島にこだわってる風ではない)の誘いで行ってきた。自分はそれほど沖縄好きではない。毛頭、嫌いではないのだが、あの大っぴらな外向的開放感が僕には多すぎる感じ。実際のところは、よくわからない。自分の感情も沖縄の内面も、後から考えつく諸々の理由もあるだろうが、本島や他の島々を巡ってみて、なんて気持ちのよいところなんだろうと思いながら、自分には近江八幡や安芸の方が合うような気がしたのだ。
 この日は、新宿アルタ前のメインストリートが会場となってエイサーまつりが開催されていた。エイサーとは沖縄の盆踊りである。威勢のいい締太鼓や子供たちのカチャーシーが暑い夏をさらに熱くしていた。

 第1部は、全員で「安里屋ユンタ」を歌って始まった。トップバッターの成底ゆう子は、急遽、出演が決まったみたいだった。歌は勿論上手かったが、新人らしい初々しさと必死さがあった。選挙の立候補者が自分の名前を連呼する姿と重なってしまった(汗;)。つづく川満七重(かわみつななえ)は、大阪出身の人。祖父の出身地、宮古島に住むようになって宮古民謡の歌い手となった人らしいが、すごくよかった。歌に心が感じられる。これは天性のものに違いない。MCが天然系で、「すごく緊張してます」と言ってるのに、堂々としているように見える。こういうキャラは得である。次が凄かった!いきなりビートルズ・ナンバーにのって、客席から入ってきたおばぁラッパーズという中年女性ラップ3人組。栄町市場で働くおばちゃんたちが地域の活性化のために歌い始めて人気が出たらしい。思いっきり沖縄のパワーを感じてしまった。途中、古謝さんが混じっていたのがさらに笑えた。

 第2部の夏川りみからが本番という感じでもある。子供を授かったときに古謝さんから約束どおりプレゼントしてもらったという子守歌「愛しい子(かなしいぐゎ)」や代表曲「涙そうそう」など、圧倒的な歌唱力は流石だった。これまた突然の出演らしいが、フラとの共演がなかなかよかった。トリは古謝美佐子と佐原一哉で、時々夏川りみも加わった。佐原さんのMCは、硬いのに何となくいつも面白い。あれっと思ったのは、古謝さんのことを1度だけ「妻」と呼んだときだった。あとで調べて知ったのだが、98年に二人は結婚していた。佐原さんはネーネーズのプロデューサーでもあったのだが、95年に古謝さんがネーネーズを脱退してからパートナーとして一緒に活動していたのだが、それは音楽だけでなく私生活もだったのである。ステージ上の二人があまり夫婦に見えないのは、仕事をしているところだからかな…。「童神」がやはりよかった。初孫が産まれたときに古謝さんが書いた詞に、佐原さんが曲をつけている。NHKの朝ドラ「ちゅらさん」の中で使われてヒットしたらしい。僕はbirdのカバーで初めて聴いて知ったのだが、古謝さんの歌、夏川りみの歌もいい。この国も隣国もずっと平和であって欲しいと思う。この歌を聴きながら、人殺しはできないと、ふと思う。戦争経験者であった映画監督の黒木和雄さん(故人)がもう何年も前から、きな臭い空気を感じとって危惧していたが、領土問題のもつれが中国、韓国、ロシア、そして日本のナショナリズムを刺激している昨今である。喜納昌吉の「すべての武器を楽器に」というメッセージを今こそ、という気がする。当たり前になってはいるが、平和がどれほど有り難いことか思い出さなければいけない。ほんの小さな島の1つ2つのことで、国全体の平安を乱してはいけないと思う。冷静になれ、広い視野をもてと思う。
 ライブの後は、馴染みの沖縄料理(といっても2回目)で〆となった。お店のテレビでは、なでしこジャパンがスウェーデンと予選リーグを戦っているところだった。