倉敷・井上家
 
 
「祖父」
 
私の祖父は、私が9つのときに亡くなった。
お葬式のとき、お坊さんの説教の中で祖父の人柄について話したのがわかり、
突如、泣き出してしまったことをよく覚えている。
その祖父が祖母とまだ幼い母とともに暮らしていた古い家が、
国の重要文化財として保存されているというので、行ってみた。
1711〜16年頃に建てられた町屋。
倉敷では最も古い建物ということで、
朝からたくさんの観光客が訪れていた。
生真面目で子煩悩な祖父は、私とよく似ていると母から何度も聞かされた。
いつでも優しかった祖父を思うと、今でも目頭が熱くなる。
いつかまた会える日までは頑張ろう、と思う。