Trip to Bali 2012
バリは、1年中が夏である。ウソみたいだけど、蝉(バリでは「オレオレ」というらしい…笑)は1年中鳴いているそうだ。8月の赤道直下の国(バリは南緯8度)はさぞ暑かろうと覚悟して行ったが、日本よりも遙かに快適で、拍子抜けしてしまった。なぜ、海に囲まれている島なのにムシムシしないのかよくわからないが、サバナ気候なので、雨季(11〜3月)と乾季(4〜10月)があって、8月はカラッと過ごしやすく、夜などは涼しいくらいだった。「季節」を意味するアラビア語に由来するモンスーン(季節風)の影響が強く、大陸と海洋の温度差によって、夏季と冬季で風向きの変わるという特徴がある(昔、学校で習ったっけなぁ…汗;)。
この快適な温度が1年中続く島での暮らしをふと想像してみたら、ちょっと遠慮したい気がしたが、それは自分の中での小さな発見でもあった。日本では、暑すぎる夏、じめじめした梅雨、凍えるくらい寒い冬、ちょうどよい五月晴れや澄み渡る秋空は長くは続かず、絶えず移り変わる四季が確かに忙しない。急に肌寒くなってくると、暑かった夏が懐かしくなるし、暑ければ暑いで早く涼しくならないかと思う。常に無いものねだりをしているといっても過言ではない。しかし、そういう変化の中に身を置くことで、暑さ寒さに適応する様々な工夫をしながら日々の生活にメリハリをつけ、飽きもせず生きていられるような気もする。バリ人は、違う。あくせくせず、もっとゆったりと寛容に生きているようにみえる。家の前で何するわけでもなくじっと座っている大人たちをたくさん見かけたが、「知り合いが通りかかったらおしゃべりしようと待っているのだ」とマハルディカさん(ガイド)から聞いた。「そんな暇があったら…」とつい考えてしまうが、そのくせ、ホテルのプールサイドで昼寝して、「こういう生活が憧れだったんだ〜」と喜んでいるのだから、我ながら矛盾してるなぁと思わないではない。
こんな常夏バリに別荘を構え、長期滞在している金持ち日本人も少なくないらしい。マハルディカさんに、「一番、有名な日本人は誰か?」と訊いたら、とても意外な人だったので驚いた。日本ではすっかり過去の人だが、ここでは西城秀樹が最も有名だと言う。次に名前が挙がったのが元野球選手の新庄剛志。二人とも別荘をもっていて、度々来ているようだ。他には、さくらももこ、香川真司と何とも脈絡のない名前が挙がって笑えた。ついでに、日本へ行くなら何処がいいか訊いたら、京都・奈良ではなく、即座に「秋葉原でAKB48を見たい」との回答。西城秀樹とAKBが一緒に語られるところに、不思議な時差のようなものを感じて面白かった。ちなみに日本のもので人気があるのは「ドラえもん」だと言っていた。「ドラえもん」にはユニークな秘密道具がたくさん登場するが、例えば「タケコプター」は、バリの言葉で「バリンバリンバンブー」と翻訳されているのだそうだ。いろいろと面白い。
常夏の島は、インドネシアだけでも18,000ある。その中で、なぜバリが世界中の人々を魅了しているのか不思議にも思える。バリの名は、サンスクリット語で「神様への捧げ物」を意味する「WALI」が語源となっているらしいが、どことなく人間の叡智を超えた存在に守られているような場所である。
6 常夏
photo:Nusa Dua






