SCNE 18
 
 
 
 
「キーウェストへゴー!」
 
 ワシントンDCでは、マイアミに行って来たという日本人に度々会った。そのマイアミにこれから行く。
機内食(夕食)を食べながら、隣のオーストリア人と話をした。Cougar Mercuryさんは、アメリカに30年住んでいるという。ヒゲが濃く、顔はフランシスコ・ザビエルだった。「アグリカルチャーが専門」と言うと、とても興味をもってくれて、カリフォルニア米が日本に来ている話をしたら、ずいぶんと驚いていた。
 マイアミ国際空港に着いたのは、夜7時半。宿泊するホテルが決まっていなかったため、「地球の歩き方」を頼りに探すが、目当てのホテルはすでに消滅していた。すっかり途方に暮れていると、隣で電話をしている日本人青年も同じ「消滅ホテル」に電話をかけて困っている様子。思わず声をかけたのが、I君とK君だった。明日からレンタカーでキーウェストに行く予定だという。自分もキーウェストへ行くと言ったら、一緒に行こうということになった。「その方が割り勘で安くなるから」という単純な話である。二人は日大ラグビー部の現役生。久しぶりに話し相手ができ、しかもホテルも移動も割り勘になって、とてもラッキーな出会いだった。この日は、結局、別のホテルに3人で泊まった。
 翌朝8時にマイアミを出発。フロリダ半島から点々と伸びる島々を42の橋が結び、その先のキーウェストを目指す。この合衆国最南端の町まで約4時間、両側に青い珊瑚礁を眺めながらのドライブは、この上なく快適だった。
 キーウェストは小さな島で、自転車でも2時間で1周できる。僕らが半日$4のレンタサイクルを借りてまず驚いたのが、ブレーキがないこと。なんと、足でペダルを固定するとブレーキになる仕組み(と書いてもわかりづらいが)。はじめのうちは停まるたびに転びそうになったが、慣れると意外に乗りやすかった。
 この島には長年ヘミングウェイが住んでいた。家は観光地になっていて、「誰がために鐘が鳴る」を書いたタイプライターと庭にはたくさんの猫がいた。