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SCENE 12
「夢」
砂漠の真ん中に、ぽつんと現れた不夜城。無数のネオンで街の温度が数℃上がるというほど、ラスベガスは熱気でムンムンしていた。
僕とKは、夕方になってこの街に着き、その足で"The Strip"と呼ばれる高級ホテル街へ入った。この通りには名物ホテルがたくさんある。全部に泊まってみたいくらいだったが、中でも"Circus−Circus"が第一候補だった。その名のとおり、ホテルでサーカスが見られるという有名なホテルである。
ホテルに一歩入って、その豪華さに驚いた。今までに泊まったどのホテルより高級で、周りは欧米の富豪ぞろい!ジーンズ姿では全く身の置き場もない。恥ずかしいけど、ますます泊まりたくなった。予約してないのが悔やまれたが、取りあえずフロントへ。Kが交渉に入る。やはり、かなり混んでいるようだ。
「ツインなら取れるヨ!」とKに笑みがこぼれた。ラッキー!一気に興奮してきた。二人で飛び跳ねたい気持ちをこらえ、部屋に入ってから一騒ぎした。
夕食はホテルのビュッフェ(食べ放題)だった。これも想い出に残る凄さだった。ボリュームが半端じゃない。大広間に数え切れない数の料理が並び、全部の味見さえできないほどメニューが多い。しかも、味だって抜群。僕たちは精一杯食べたけど、すぐに苦しくなってしまった。それに比べて欧米人の食欲には凄みがあった。大きな肉の塊もぺろっと食べて、次々平らげていく。デザートだってケーキにソフトクリームをたっぷりのせてペロリ。羨ましいほどの消化力。まるで別の動物のように凄かった。ビュッフェなので、どれだけ食べても$4と安すぎる。料理も安いが、宿泊も$16と田舎のモーテル並みである。全くいいところ!と笑っていられたのは、そこまで。このあと僕は、カジノでしっかりツケを払った。スロットよりポーカーが面白かった。面白いほど途中まではイイ線いく。何しろ、本物の現金がザクザク出てくるのだから迫力が違う。が、ふと気付くと銭が消えている。全く消えるのは早い!ちなみにKは、$100くらい儲けた。夢をみるには、いい街であった。
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