「ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密」
−Divine Secrets of The YA−YA Sisterhood−
 
 
母娘の葛藤をテーマにした作品というと、「愛と追憶の日々」が思い浮かぶ。
ハリウッド映画ではお馴染みのテーマだが、個人的にあまり見ない。
女性が主人公の作品は、やはり感情移入しにくい。
「愛と追憶の日々」も、ただただ主演のデブラ・ウィンガー見たさで行ったのだったが、
「ヤァヤァ…」もサンドラ・ブロック狙いである。
実はちゃんと彼女の映画を見たことがなかった。
取り立てて美人でもないのに、ひときわ輝きを放つ姿はなぜ?という素朴は疑問があった。
 
さて、アメリカ合衆国南部のルイジアナ。
夜、森の中で可愛らしい少女4人が白装束を身にまとい呪文を唱える「ヤァヤァの儀式」から映画は始まる。
「おっ、これは面白そうだ!」とワクワクするようなオープニングである。
この少女の1人ヴィヴィ(エレン・バースティン)の後の娘がシッダ(サンドラ・ブロック)で、
今では、ブロードウェー劇作家として成功を収めているという設定である。
シッダはつまらないことからヴィヴィと喧嘩になり、それが元で7年ごしの恋人との婚約を破棄すると言い出す。
この辺のオーバーアクションな演技がユーモラスかつキュートで、S・ブロックの魅力炸裂って感じだった。
「それにしても、この母娘の確執は一体どこに原因があるの?」
ということで、過ぎ去りし過去へ話が進み、またまた現代に戻るということを繰り返しながら、
真相が明らかになってゆくというシナリオはなかなかよくできていた。
 
不覚にも、私は、何度も涙を浮かべながら、母娘それぞれの人生を眺めていた。
主人公は女性ばかりだが、ヴィヴィの夫やシッダの婚約者ということで男たちも登場する。
彼らは、気丈なのに脆い、そんな健気な彼女らをそっと静かに見守っている。
そういう男たちの目線で見ているうちに、自分も自然と物語に入り込み、
深く感情移入してしまっていた。
 
DM(ドメスティック・バイオレンス)という言葉がアメリカから輸入され、
今や日本でも幼児虐待とか夫婦間の暴力が社会問題になっている。
この映画のテーマもこの辺にあるのだが、
虐待を受けた子供が親になり、また虐待を繰り返すという負の連鎖をどのように克服するのか、
この映画は、ユーモアを交えながらも1つの方法を提示している。
世界は公平にはできていないし、人間は矛盾だらけの不完全な動物だということを前提に、
自分たちは生きていかないといけないのだということなのだろう。
重いテーマにもかかわらず、ハッピー・エンディングで爽快な気分になれる作品である。
 
 
 
DATA
アメリカ映画/2002年/監督・脚本(カーリー・クーリー)/製作(ボニー・ブラッカイマー、ハント・ローリー)/
音楽(T・ボーン・バーネット)/出演(サンドラ・ブロック、エレン・バースティン、アシュレー・ジャド)