「下妻物語」
 
 
 
予告編を見て以来、妙に気になる映画だった。
「だいたいなんで、下妻なの?」
「それに、下妻ってどこにあるのよ?」
「一体、どういう映画?」
「なぜ、なぜ、なぜ…?」
とにかく、これはもう見るしかないと思うに至った。
そして、いよいよ劇場のスクリーン前に座り、そこで目にしたものは…。
 
「とうとう日本映画もココまで来たか!」
というのが、正直な第一印象だった。
素晴らしい!モ〜烈に面白い!映像もスゴイ!
とにかく話のテンポがよくて、おバカなギャグ連発で大笑いできて、それで結構感動して、
音楽もとってもよくて、とにかくすご〜く贅沢な映画。
 
中島監督は、CMディレクターとしても有名な映画監督で、
「フジカラー写ルンです」とか「サッポロ黒ラベル」など話題作も多いのだそうだ。
そういえば、どちらのCMもドタバタ喜劇のノリに人情味を絡ませた物語風のCMで、
そういうショート・シーンの連続でこの映画ができているといえなくもない。
 
主人公の桃子(深田恭子)は、ロリータファッションに身を包み、18世紀のフランス・ロココ時代に憧れる美少女。
周囲と一切協調せず、ひたすら我が道をゆく、かなり変わったキャラクターの持ち主。
一方のイチゴ(土屋アンナ)は、特効服に身を包むバリバリのヤンキー少女。
イチゴという名前が恥ずかしくて、イチコと名乗る健気な一面ももっている。
この両極端のキャラをもった二人がひょんなことから出逢い、
交流がはじまり、やがてとんでもない事件に発展し、
最後に「最高のもの」を掴むというハッピーエンディングまで全く目が離せない。
 
この映画の登場人物は、誰もが一癖も二癖もあって、いわゆる「普通の人」が出てこない。
ハチャメチャな人物たちが、最もまともな結論を導いていくというパラドクスが面白いし、
非現実的な物語なのにどっぷり感情移入してしまうという摩訶不思議な作品。
ファンタジーの世界を描きつつ、少女二人の友情が一筋貫かれているゆえの現実感もある。
この感覚は、容易に言葉にできないもので、ただ同じものを見たときに、
「そうそうこれこれ」と共感し得るものだと思う。
ぜひ、たくさんの人に見て欲しい映画。
見ても損はしませんが、見ないと損します。
 
 
 
DATA
日本映画/2004年/脚本・監督(中島哲也)/
原作(嶽山野ばら)/CGディレクター(増尾隆幸)/音楽(菅野よう子)
出演(深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、樹木希林)