「WE ARE Perfume 」
-WORLD TOUR 3rd DOCUMENT-
結成15年、メジャーデビュー10年。
今や世界的な存在となったパフュームの3度目のワールド・ツアーに
密着取材したドキュメンタリー映画である。
佐渡監督はNHKの歌番組「MUSIC JAPAN」などでパフュームを撮ってきた人。
今作では、実際のライブ映像をはじめ、ライブの舞台裏やオフショット、インタビューなども多数あり、
僕のような特にファンでもない観客にも強く訴えかける充実した仕上がりになっている。
彼女らがなぜ、世界を席巻するほどの人気を得たのか、誰もが納得するはず!
冒頭、CGを使ったライブ映像を見ながら、「ブレードランナー」(82)を思い出した。
リドリー・スコット監督が描く2019年の世界は、どことなくアジア的な雰囲気に包まれている。
今でこそ日本のアニメや「カワイイ」文化が欧米で人気を博しているが、
80年代では全く考えられないことだった。
映画が予見した「アジア的近未来」を今まさにステージ上で体現しているのが、パフュームなのかもしれない。
映画をみると、パフュームがどれほどハードな努力をしているかに圧倒される。
ライブ公演後に行われる「ダメ出し会議」では、曲間の微妙な間、マイクを置く位置など
非常に細かな事柄について、彼女ら自身が話し合って決めていく。
観客の反応をみて、本番直前にセットリストを変えようとしたりもする。
パフュームのライブは、映像や照明などが細かく連動しているので、
曲順を変えたり、加えたりするのは、非常に大変なことなのに、である。
しかも、すべての曲ごとに振り付けがあるので、
本番直前に曲を追加するのは、大変なプレッシャーがかかる筈である。
「どうしてそこまでひたむきになれるのだろう?」
健気に努力を重ねていく3人を見ていて、自然と熱いものがこみ上げてきた…。
ファンからのメッセージが多数取り上げられているのもよかった。
「パフュームの歌で私の人生は救われま…」と嗚咽してしまう女性をはじめ、
パフュームの音楽で笑顔になり、感動して涙するファンの姿に、爽やかな感動を覚える。
言葉の壁を越えて何かを伝えようと全力投球のパフュームとそれをしっかり受け止めるファンを
カメラは余さず捉える。
ふと、世界はひとつに、平和に、なれるかもしれない、という気持ちになった。
2000年、広島のローカルアイドルとしてデビューしたパフュームは、しばらく地味な活動をしていた。
結成時のメンバーは、まだ小学6年生!
それから3年後に中田ヤスタカをサウンドプロデューサーに迎え、
テクノポップ路線での歩みが始まり、2005年のメジャーデビュー時には、
エフェクターで加工された歌声により現在の「近未来テクノポップ」スタイルが確立した。
独特のダンスは、ダンススクール時代から振付師のMIKIKOさんが担当している。
ステージ演出も含め、MIKIKOさんの関わりも大きいようで、
彼女と中田ヤスタカがいて、はじめてパフュームなんだということもわかる。
そのほか、たくさんのスタッフが彼女らを支えており、
まさしくそれは「チーム・パフューム」というものだった。
佐渡監督は、こんな風にコメントしている。
「パフュームは、一朝一夕にできたものじゃなくて、ちょっとずつ、ずっと成長を続けて、
今ここにいるんですよね。結成15年でメジャー・デビュー10周年ですけど、
その間に積み上げて積み上げて、少しずつ少しずつ実力を蓄えてきた。
その年月みたいなものが、今回のツアーには表れていると思うんです。
だから、映画では、今回のツアーの様子だけを描いているんですが、
そこににじみ出る彼女たちの15年みたいなものが、ふわっと届けられるといいなと思いますね。」
映画タイトルの「WE」は、おそらくメンバーとスタッフ全員の意味でもあるのだろう。
「チーム・パフューム」の情熱的な仕事ぶりをみて、
何だかとっても羨ましくなった。
TOHOシネマズ新宿
DATA
日本映画/2015年/120分/
監督(佐渡岳利)/音楽(中田ヤスタカ)/ナレーション(近藤春菜)/
出演(西脇綾香、樫野有香、大本彩乃)
KINGS MAN