|
「宇宙人ポール」
−Paul−
SF超大作とかではないので大々的なコマーシャルもない、いわゆるB級映画でありながら、
ちまたでちょっと話題の映画だった。
僕もロードショー時はスルーしていたが、職場の人、しかも複数の人から、
「あれは面白いですよ!」と繰り返し勧められてるうちに観たくなった。
すでに一部の名画座でしか上映してなかったが、
何とか三軒茶屋シネマの最終日に駆け込みで観ることができた。
確かに、面白かった!
ポールという名の犬が登場する導入部分から、すんなりと引き込まれた。
エイリアンと遭遇する映画は巷に多々あるが、この作品の魅力は、
宇宙人=ポール(声:セス・ローゲン)がやたらとフランクで人間っぽいところ。
しかし、宇宙人ならではの特殊能力も持っていて、
息を止めている間だけ透明になれるとか、生物の傷を自分の身体に移動させて治癒する力だとか、
うまくストーリーの要所に組み込まれていて見応えがあった。
主役の二人、グレアム・ウィリー(サイモン・ペッグ)と
クライブ・ゴリングス(ニック・フロスト)の宇宙オタクぶりもかなり笑える。
演ずる二人は、共同脚本家でもあり、すでに「ショーン・オブ・ザ・デッド」、
「ホット・ファズ」などで人気を博しているらしい(が、全然知らなかった)。
今作の脚本づくりのため、二人は実際にアメリカ各地を旅したそうだが、
そのせいか、何となくロードムービー的な雰囲気のある作品でもある。
基本的にドタバタコメディだが、SF、アクション、ロマンスなどの要素も盛り込み、
最後はちょっとした感動モノでさえあり、見終わったときの充実感はなかなかである。
三軒茶屋で映画を観るのは、かれこれ四半世紀ぶりだろうか。
2つの名画座が隣接してあり、高校〜大学時代には度々通っていた。
記憶が正しければ、いくつかの忘れ得ぬ作品と出会った場所である。
その1つは、ジョージ・ロイ・ヒル監督、ロビン・ウイリアムス主演の傑作「ガープの世界」。
自分の中に成功の基準をもち得れば、あとはただただ精一杯生きればいいのだと、
この作品を思い出すだけで確信する。
人間が壊れる瞬間を見せつける世にも恐ろしく、おぞましい「セブン・ビューティーズ」という映画を観たときは、
確か真夏だったと思うが、あまりの怖さに震えが止まらなかった思い出がある。
また、これ以上に美しく悲しい物語はないだろうと劇場を出てからも涙が止まらなかった
「愛の7日間」も忘れ得ぬ作品である(と書きつつ、内容は忘れてますけど…汗;)。
名画座も全国的に数を減らしてるらしいが、平日にも関わらず、30人近い客が入っていた。
施設はかなり老朽化しているが、1,000円で2本観られるのはお得である。
ちなみに同時上映の「ペントハウス」はアクション・コメディ。
それなりにはできていたが、話の展開などに新鮮味はなく、個人的には全く面白くなかった。
「宇宙人ポール観たよ!」って話を職場でしていたら、その会話を聞いていた人が、
早速、ケーブルで観て「面白かった!」と言っていた。
「宇宙人ポール」、恐るべしである(笑)。
三軒茶屋シネマ
DATA
イギリス・アメリカ映画/2011年/104分/
監督(グレッグ・モットーラ)/脚本(サイモン・ペッグ、ニック・フロスト)/
製作総指揮(ナターシャ・ワートン他)/音楽(デヴィッド・アーノルド)/
出演(サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、セス・ローゲン、シガーニー・ウィーバー)
|