「ミッション:インポッシブル フォールアウト」
-MISSION:IMPOSSIBLE FALLOUT-


シリーズ第6作。
前作「ローグ・ネーション」(15)の続編的ストーリーで、監督も初めて変更なしの続投。
前作、今作ともに興行成績は、桁違いの大ヒットらしい。
例によって、激しいスタントをトム・クルーズ本人がやっている。
今回は、ヘリコプターを操縦するために、ヘリ免許も取ったらしい。
誰もが驚嘆する段違いの努力家である。
そのモチベーションの根っこにあるのが、「観客を楽しませること」。
主人公イーサン・ハントの命がけの戦いと演じるトム・クルーズ本人のチャレンジは、
一心同体、唯一無二のもので、見る度に深い感銘を受ける。

冒頭から終幕まで、アクションシーンのてんこ盛り。
地上600mを飛行中のヘリコプターから落下するシーンは、信じられないほどスリリング。
それ以上に怖かったのは、ノルウェーのプレーケストーレンで撮影された断崖絶壁での格闘シーン。
どこまでロケかわからないが、高所恐怖症の自分は、見ているだけで悪寒が走った。
そもそもスパイ映画なので当然ともいえるが、物語の展開が複雑で、何が本当かわからない。
騙されたフリして騙したり、騙したと思ったら騙されていたり、
もう何が何だかわからず、延々と騙され続けることに快感を覚えてしまう!

主役トム・クルーズは勿論、ずば抜けてスゴイが、意外と脇役も重要で、
個人的には、サイモン・ペッグ扮するベイジーが好きだ。
変装して危険な目に遭うのを嫌がったり、2Dのナビでハントを高いビルからダイブさせてしまったり、
コミカルなシーンが絶え間ない緊張感のちょっとした息抜きになる。
それともう一人、前作に続く諜報員イルサ(レベッカ・ファーガソン)の存在もポイントだろう。
ハントが世界一愛する妻、ジュリア(ミシェル・モナハン)と共に、心から愛する女性がイルサだ。
イルサもまたハントに想いを寄せているが、彼には最愛の妻ジュリアがいる。
その二人が出会ったとき、イルサがつぶやく「I like her.」と言うシーンがよかった。
悔しいけどいい女性(ひと)だわってニュアンスだろう。
自分が愛する男(ひと)が愛する人だからこそってところがいい。
重傷を負ったハントを見舞にきたジュリアと真剣な眼差しで永遠の愛を語り合ったすぐ後に、
イルサに見せるハントの安堵の表情がとても印象的だった。
「どっちがいいんだよ、お前は!」とツッコミを入れたくなったが(笑)、
なんとなくわかる気もして好きなシーンだ。

生前、義父に教わったことがいくつかある。
若い頃は一匹オオカミで、斜に構えていて敵も多かったらしい。
晩年の印象とは違うので訊いてみたところ、
「五十にもなって、そんな人間では駄目だと思って変えた」という。
僕がその言葉を聞いたのは、四十前後だったか。
以来、「今、自分は大丈夫だろうか」と、時々思ってみる。
身の回りをみていると、「自分ファースト」を詭弁で取り繕った五十代をしばしばみる。
みっともないなぁと、心の中で思う。
トム・クルーズ、56歳!
見た目も含めて、とてもカッコイイ人である。
そんな風にはとてもなれないけど、ちょっとでもガンバろって思わせてくれる作品だ!

今作中でパリを縦横無尽に走り回ったバイクは、昨年レンタルしたBMW nineTだった。
バイクは同じなのに…(笑)。


DATA
米国映画/2018年/147分/カラー/シネマスコープ/
監督・脚本・製作(クリストファー・マッカリー)/製作(ジェイク・マイヤーズ、J.J.エイブラムス)/
出演(トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ)/字幕(戸田奈津子)
 

KINGS MAN