「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」
-MISSION:IMPOSSIBLE ROGUE NATION-
アメリカのテレビドラマ「スパイ大作戦(Mission impossible)」(全171話)をベースにした映画版。
1996年の第1作から約20年、シリーズ5作目である。
回を重ねるごとにインポッシブル度合いが高まり、観客を惹きつけてやまない。
ちなみに興行収入は、シリーズ最高の前作「ゴーストプロトコル」を上回る勢いだそうだ。
rogueとは「悪党、ならず者」のこと、つまり、「ならず者国家」ってことである。
劇中に登場する「シンジケート」は、文明社会を破壊するため、自らの国を捨ててきた者たちの集団。
あくまでフィクションではある…。
この作品は、不可能な任務に立ち向かう主人公イーサン・ハントの活躍を描いた物語だが、
それは同時に、トム・クルーズの不可能への挑戦も意味している。
たとえば、今作では、離陸する軍用機の外側に掴まるスタントがあった。
滑走路で小さな小石がプロペラに入ってしまったら、弾丸のようにトムの身体に当たるかもしれない。
離陸後に鳥がぶつかれば、大けがを負うだろう。
地上5,000フィート(約1,500m)、時速400キロだそうである(汗;)。
水中の爆破装置を除去するシーンも見所だった。
撮影では5、6分間も息を止めなければならないため、トムは、フリーダイビングのトレーニングに通い、
約40mの深さまで素潜りする特訓をしたそうだ。
どうしてそこまで危険なスタントをやるのか?
CGでもスタントマンでもなく、自分自身で演じることで観客を楽しませたい。
過酷な挑戦の原動力は、その一点に尽きる。
そのプロ根性に恐れ入る。
今作は、派手なアクション・シーンの連続で、そこが大きな見せ場ではあるが、
ストーリーも俄然、面白い!
たとえば、謎に包まれた美人スパイ・イルサ(レベッカ・ファーガソン)、一体味方か敵か、全く不明。
イーサンが所属するスパイ組織IMFがCIAの管理下におかれる展開や
身内の裏切り、信頼関係なども交錯し、肉弾戦だけでなく心理戦も存分に楽しめる。
「あなたなら私の居場所を見つけられるわよね」
映画を締めくくる台詞もなかなか粋でいい。
クリストファー・マッカリ-は、「ワルキューレ」(08)、「アウトロー「(12)でトム・クルーズ主演作を監督している。
そして、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(14)の脚本を書き、
本作の監督をトムから打診されたようだ。
確かに「オール・ユー…」は、ストーリーが面白かった!
ハードな展開の中にクスッと笑えるユーモアが含蓄されているところなど、
本作と共通点が感じられる。
すでに第6作目の製作発表があったようだが、この不可能に対する飽くなき挑戦は、どこまでいくのだろうか。
DATA
米国映画/2015年/131分/シネマスコープ/5.1ch 7.1ch ドルビーアトモス/
監督・脚本(クリストファー・マッカリ-)/製作(トム・クルーズ、J.J.エイブラハム、ブライアン・バーク他)/
音楽(ジョー・クレイマー)/撮影監督(ロバート・エルスウィット)/
出演(トム・クルーズ、ジェイミー・レナ-、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴィング・レイムス)/
字幕(戸田奈津子)