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「めぐり逢い」
−An Affair to Remember−
大人の恋、1957年作のオールド・ムーヴィーはとても新鮮にみえる。
世界的に有名なプレイボーイ、ニッキー・フェランテ(ケイリー・グラント)と
気品あふれる美女テリー・マッケイ(デボラ・カー)が豪華客船でめぐり逢う。
本格的ラヴ・ロマンスかと思いきや、意外にコミカルなシーンが随所にあり、
スウィング・ジャズと美しい主題歌「思い出の恋」がロマンチックに盛り上げていく。
二人にはそれぞれに婚約者がいるのだが、
プレイボーイのニックは、長い船旅の暇つぶしのつもりでテリーに声をかける。
お洒落で機知に富んだ会話が徐々に二人の距離を縮めていく。
そして、船旅が終わる頃、二人は恋に落ち、半年後にエンパイア・ステートビルでの再会を約束するのだが、
それから擦れ違いのドラマチックな展開になっていく。
日本には、こうした大人の恋物語が少ないというか、若者の恋愛劇が圧倒的に多い。
しかし、「めぐり逢い」を見ていると、大人の恋もなかなか恰好いいなと思う。
勿論、ケイリー・グラントとデボラー・カーだから様になるわけだけど、
人生経験を積んだ大人でなければ出せない味わい深さがいい。
船上のキス・シーン、見せないで見せるというのが実に粋だった。
レオ・マッケリー監督(1889-1969)は、ロサンジェルスに生まれ、弁護士業を経て映画の世界に入る。
マルクス兄弟のギャグ傑作「我輩はカモである」や「ロイドの牛乳屋」、
ビング・クロスビー主演の「我が道を行く」「聖メアリーの鐘」などを監督。
今作は、シャルル・ボワイエ主演で撮った「邂逅」(1933)のセルフ・リメイク版である。
あまりシナリオを重視せず、その日の撮影シーンをその日に考えて即興でつくるというスタイルだったという。
それにしても、洗練された会話である。
とりわけクライマックスのニッキーとテリーの会話はスゴイ!
緊張感があって、互いの心の中を探り合いながら、一瞬にして謎が解けるラストシーンは、
思わず感涙の名場面である。
DATA
米国映画/1957年/監督・原作(レオ・マッケリー)/製作(ジェリー・ウォルド)/
原作(ミルドレッド・クラム)/音楽(ヒューゴー・フリードホーファー)/
出演(ケイリー・グラント、デボラ・カー、リチャード・デニング、ネバ・パタスン)
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