「レオン」
−LEON−
 
 
ジャンルでいうと「アクション映画」の範疇になるのだろうが、
「レオン」を見終えた人の多くは、きっと違った印象を残していると思う。
ジャン・レノ扮する主人公のレオンはNYきっての殺し屋で、派手な殺しのシーンも多い。
にもかかわらず、この映画は優しさにあふれ、究極のラブ・ストーリーに仕上がっている。
マチルダを演じるナタリー・ポートマンも素晴らしい。
12歳の少女らしらと12歳らしからぬ女らしさを併せ持つマチルダという女の子の雰囲気が、
スクリーンいっぱいに映し出され、誰もが惹きつけられるだろう。
 
この作品のオリジナリティは、大人のレオンが子供のような純粋な心をもち、
子供のマチルダが大人のようなクールさをもっているという設定にあるように思う。
大都会の中でひっそりと暮らしながら、独りぼっちで生きてきたふたりが互いを癒しながら、
心を通わせていく過程が例えようもなく切なく、儚い。
 
クライマックスは、ハラハラの連続で息を飲み込む間もないほど。
レオンが最後に差し出す「プレゼント」のシーン、マチルダがレオンが大切に育てていた植木を、
土に植えるシーンには、誰もが涙を禁じ得ないだろう。
R・ベッソン監督のアメリカ進出第1号ではあるが、フランス人らしい細やかな心理描写があるせいか、
これでもかというくらい感情移入してしまう。
R・ベッソン作品では、「フィフス・エレメント」「グラン・ブルー」を観ているが、
「レオン」の完成度は別格という気がする。
深い感動とともに生涯忘れられない映画として記憶される1本である。
 
 
DATA
アメリカ映画/1996年/監督・脚本(リュック・ベッソン)/
主演(ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン)/音楽(エリック・セラ)